恋愛ケータイ小説倶楽部

「椎名は分からないとこない？」


長谷川くんに話しかけられ、ハッと意識を取り戻す。


いかんいかん。
また先生のこと考えてた。


私は頭をブンブンと左右に振り、現実に戻る。


「私はえーっと……あ、こことか分かんないかも」


「あ、そこはね……」


その時、長谷川くんが机の上に広げた私の教科書を覗き込み、フワッとシャンプーのいい香りがした。


こんなに長谷川くんを間近で見たことがなかったけれど。


切れ長の爽やかな目元。


スッとした高い鼻。


大きめの綺麗な口。


全てが本当に整いすぎてる。


最近話題の若者向けシャンプーの爽やかなCMに出てきそうな。


ほんとそんな感じ。


きっと、どんな女の子でも見とれてしまうだろう。


そんな風にまたしても頭の中で妄想を繰り広げていると目の前からの突き刺さる視線を感じた。