天然天使
まあ、そんなことはどうでもいい。
「敬探さないとな…。」
一人つぶやいたのはいいものの
教室に敬の姿はない。
ってことは廊下か?
一応教室から出て廊下を見てみる。
―いた!
「おい敬…「洲藤!また夏波に変なこと吹き込んでないでしょうね!」
…?
よく見ると高咲の隣に
もう一人女がいた。
さっき高咲を呼んだ奴みたいだ。
えらく気の強いこの声は…
「沙由理…また敬いじめてんのか。」
睦月沙由理。
何故か敬をいじめることを生き甲斐としているコイツは
俺の幼馴染みでもあり
よき相談相手でも…あるか?
「陽じゃない。敬が悪いのよ。夏波に変なこと吹き込んで!」
「沙由理ちゃん!あたし吹き込まれてないよ!?」
「は!?でもさっき"あたし敬くんのこと好きだな"とか言ってたじゃない!」
…さっきの変な勘違いのことか?