朔旦冬至 さくたんとうじ ~恋愛日和~
翌日。
明け方に目を覚ました陽和は
心地よい体の痛みを感じていた。

隣には朔がすやすやと眠っている。

陽和は…その…朔の表情が
愛しくて…自分からそーっと
唇を重ねる。

「ん…」

朔はそれに気が付いて
そっと目を開ける。

「わ…」

陽和は真っ赤な顔をして
目をパチクリさせる。

朔も…陽和の意外な行動に
顔を赤くしたけど…
我慢できなくなって陽和を
ぎゅっと抱きしめる。

「何…もう…
 …朝から…」

「あ…ご…ごめん…」

「ちがうって…。
 朝から可愛すぎるって
 言ってるの…」

「え…?」

「…んー…陽和…」

朔は陽和の耳元や首筋に
キスの花を咲かせる。

「ひゃ…ん…も…
 朔…ちゃ…」

「やっぱ…ダメだ…
 その声……
 …陽和ぃ…」

朔は甘い声で陽和を呼び続ける。
陽和も気持ちが高ぶっていく。

朔の情熱はとどまるところを
知らない…。

陽和は,心地よいだるさを
感じながらも朔の思いに
応えた。



8時を回り,そろそろ
由宇を起こそうかと
2人は朝の支度を始めた。

「ごめん…な…陽和。
 俺……陽和といると
 理性が半分…飛んじゃう…」

「や…やだ…もう…朔ちゃん…」

陽和は苦笑いしながらも
朔のことを愛おしそうに見つめる。

「大丈夫。
 私…うれしいんだから…。
 好きな人と…だもの…
 確かに…体力的には…
 しんどいけど…でもね…
 …心の底から…幸せなの」

「え…陽和…?」

「…は…恥ずかしい…けど…
 …私も…同じなのかも…」

「…同じ…?」

「理性…飛びそうになる…」

「え…あ…」

朔も陽和も顔を赤くしながらも
幸せな空気に包まれていた。

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