朔旦冬至 さくたんとうじ ~恋愛日和~
結局橘は,左腕を骨折していたが
それ以外は大事なく,
迎えに来た両親は,
朔に感謝しながら帰って行った。
朔は,先ほどの
橘との会話を思い出していた。
そして…
帰って来た時の陽和のあの表情。
陽和が…愛しくて
愛しくて…たまらない。
そんなことを思っていた。
陽和は,台所で
おでんを温めていた。
公ちゃんは,朔の方を見て
あらためて言った。
「まあ,とりあえず,
朔ちゃんが無事でよかった。
それに,あんな顔で,
心配されたら…
…たまんないよな…
朔ちゃん」
朔は少し顔を赤らめながら
頷く。
「愛されてるなあ…朔ちゃん」
「え…ああ…
…かな…」
「意外だったな…
ホント…ひーちゃんが
あんな顔するなんて…。
ひーちゃん…
ホントに,朔ちゃんに
惚れ込んでるんだな」
「え…いや…
…惚れ込んでるのは…
…俺の方だよ…」
「あはは,んなことは
わかってるよ。
それは,子どものころから
知ってる…」
公ちゃんは,笑いながら
言った。
「よかったなあ,朔ちゃん。
これなら,成功,
間違いなしだな?」
「え?」
朔は驚いた顔で
公ちゃんを見た。
「渡すんだろ?
この旅行で。
さっき,買ってきたもの」
公ちゃんは,
陽和に聞こえないように
小声で言った。
「は?ええっ?
み…見たのか?公ちゃん?」
「…やっぱりそうか。
朔ちゃんがこっそり
買いに行くなんて
…決まってるもんな…」
「…ああ…うん。
俺さ…もう…
考えられないんだよ…
…陽和がいない人生…。
アイツと…ずっとずっと
一緒に居たい」
「ああ…だろうな。
それは,ずっと子どもの
ころから変わらなかった
んじゃないの?」
「うん…
…あ…でも…
今は,昔…以上に…かな」
公ちゃんは,ほほえましく
2人を交互に見た。
「…そっか
まあ,大丈夫じゃないか?
今日のひーちゃんの
表情を見たら…
ひーちゃんもきっと,
朔ちゃんと同じ
気持ちだろうから…さ…」
「え…ああ…
…だと…うれしいな…」
「だろうさ。
まあ,健闘を祈るよ,
朔ちゃん」
「ああ」
公ちゃんは,朔と
握手をして立ち上がった。
「ひーちゃん,ごめん。
佑里香,待ってるから,
俺そろそろ帰るわ」
「ええっ…」
「まあまあ。
朔ちゃんも,
『夫婦水入らず』の方が
いいだろうし」
「ばっ…こ…公ちゃん!!」
陽和は不思議そうな顔をしたが,
朔の顔は真っ赤だった。
「んじゃ,おやすみ,
朔ちゃん,ひーちゃん」
「あ…うん…
公ちゃん…
ホントにありがとう」
「じゃあな!」
公ちゃんはそういうと,
さっさと帰ってしまった。
それ以外は大事なく,
迎えに来た両親は,
朔に感謝しながら帰って行った。
朔は,先ほどの
橘との会話を思い出していた。
そして…
帰って来た時の陽和のあの表情。
陽和が…愛しくて
愛しくて…たまらない。
そんなことを思っていた。
陽和は,台所で
おでんを温めていた。
公ちゃんは,朔の方を見て
あらためて言った。
「まあ,とりあえず,
朔ちゃんが無事でよかった。
それに,あんな顔で,
心配されたら…
…たまんないよな…
朔ちゃん」
朔は少し顔を赤らめながら
頷く。
「愛されてるなあ…朔ちゃん」
「え…ああ…
…かな…」
「意外だったな…
ホント…ひーちゃんが
あんな顔するなんて…。
ひーちゃん…
ホントに,朔ちゃんに
惚れ込んでるんだな」
「え…いや…
…惚れ込んでるのは…
…俺の方だよ…」
「あはは,んなことは
わかってるよ。
それは,子どものころから
知ってる…」
公ちゃんは,笑いながら
言った。
「よかったなあ,朔ちゃん。
これなら,成功,
間違いなしだな?」
「え?」
朔は驚いた顔で
公ちゃんを見た。
「渡すんだろ?
この旅行で。
さっき,買ってきたもの」
公ちゃんは,
陽和に聞こえないように
小声で言った。
「は?ええっ?
み…見たのか?公ちゃん?」
「…やっぱりそうか。
朔ちゃんがこっそり
買いに行くなんて
…決まってるもんな…」
「…ああ…うん。
俺さ…もう…
考えられないんだよ…
…陽和がいない人生…。
アイツと…ずっとずっと
一緒に居たい」
「ああ…だろうな。
それは,ずっと子どもの
ころから変わらなかった
んじゃないの?」
「うん…
…あ…でも…
今は,昔…以上に…かな」
公ちゃんは,ほほえましく
2人を交互に見た。
「…そっか
まあ,大丈夫じゃないか?
今日のひーちゃんの
表情を見たら…
ひーちゃんもきっと,
朔ちゃんと同じ
気持ちだろうから…さ…」
「え…ああ…
…だと…うれしいな…」
「だろうさ。
まあ,健闘を祈るよ,
朔ちゃん」
「ああ」
公ちゃんは,朔と
握手をして立ち上がった。
「ひーちゃん,ごめん。
佑里香,待ってるから,
俺そろそろ帰るわ」
「ええっ…」
「まあまあ。
朔ちゃんも,
『夫婦水入らず』の方が
いいだろうし」
「ばっ…こ…公ちゃん!!」
陽和は不思議そうな顔をしたが,
朔の顔は真っ赤だった。
「んじゃ,おやすみ,
朔ちゃん,ひーちゃん」
「あ…うん…
公ちゃん…
ホントにありがとう」
「じゃあな!」
公ちゃんはそういうと,
さっさと帰ってしまった。