朔旦冬至 さくたんとうじ ~恋愛日和~
数日後。
家に戻ってきた3人は,
その景色がいつもと
違うように感じていた。
「さくちゃん,よかったね」
由宇はにっこり笑って
朔に話しかける。
「ひーちゃんも…
よかったね」
陽和はコクリと頷く。
翌日。
朔と陽和は,いつも通り
出勤し,由宇は登園する。
今日は,終業式。
朔は,学校に着くなり,
右腕を吊った
橘に捕まった。
「先生,ありがと。
俺さ,あの後,
彼女が見舞いに来てくれたから
ちゃんと,話をしたんだ。
そしたら,本当に
誤解だった。
照れてしまって,
その…恥ずかしくて
拒否してしまったけれど…
本当はうれしかったって
言われて…その…
キス…できた…わ」
「わ…そうか…まあ,
よかったな!」
「それに,俺のダチと
話していたのは,
単に,相談していた
だけだったらしくて…」
「そうか」
橘はニカっと笑って,
言った。
「先生の言う通りだった。
ちゃんと言葉にしないと
伝わらないって」
「ああ…そうだろ?」
朔は嬉しそうに
そう笑った。
「あ,そういや,
先生の方は
どうだったんすか?」
「あ…ああ…
俺も…ちゃんと
言葉にしたから…
…伝わったよ…」
「え?え?
じゃあ」
「ああ…
うまくいった。
ありがと」
そう朔が言うと
橘は大声ではしゃいだ。
「まじで!
すげー,よかったすね
先生!」
「馬鹿お前,
大きな声で言うなよ!」
朔は照れながら,
橘の様子をほほえましく見ていた。
保健室に立ち寄り,
中村先生にも報告に来た。
「あ,先生。
おはようございます」
「あら,朔ちゃん。
どうしたの?」
「いや…その…
ご…ご報告」
「え?」
「陽和にプロポーズしました」
「ええっ!!?」
「あの…
結婚することになりました」
「えええええっ!!
まあ,ホント!!!
おめでとう!!!」
中村先生は,朔を
ぎゅっと抱きしめた。
「よかったわねえ。
ホントによかった」
今度は中村先生は
泣き始めてしまった。
「もう,紆余曲折あったけど
よかったわあ…ホント」
朔は照れくさそうに言った。
「心配かけましたけど…
なんとか,陽和と,
家族になることができました」
「まあ,そうなのね。
よかったよかった。
もう,入籍したの?」
「あ…いや,
お互い仕事のことがあるので
切りのいい時に…ということで
3月に…入籍しようかと」
「ああ,そうなのね。
まあ,よかった,ホントに」
中村先生はまた,にっこりと
笑った。
「由宇ちゃんも
喜んでたでしょ?」
「ええ,ホントに。
ただ,俺がもし断られたら
自分が陽和をもらうって
宣言されちゃったから
焦りましたよ」
「ええ?まあ…」
中村先生はクスッと笑う。
「そりゃあ,強力な
ライバルが出現したわね」
「まあ,俺は…
負けませんよ。
陽和に対する思いは,
絶対に誰にも…」
「まあ,そうね,
朔ちゃんの陽和ちゃんへの
執着心といったら,
…類を見ないものね…」
中村先生は朔と目を合わせて
思いっきり笑った。
「でも,よかったわ。
ホント。
幸せに…なるのよ…
3人で」
「…はい」
朔は,中村先生の
言葉を噛みしめていた。
家に戻ってきた3人は,
その景色がいつもと
違うように感じていた。
「さくちゃん,よかったね」
由宇はにっこり笑って
朔に話しかける。
「ひーちゃんも…
よかったね」
陽和はコクリと頷く。
翌日。
朔と陽和は,いつも通り
出勤し,由宇は登園する。
今日は,終業式。
朔は,学校に着くなり,
右腕を吊った
橘に捕まった。
「先生,ありがと。
俺さ,あの後,
彼女が見舞いに来てくれたから
ちゃんと,話をしたんだ。
そしたら,本当に
誤解だった。
照れてしまって,
その…恥ずかしくて
拒否してしまったけれど…
本当はうれしかったって
言われて…その…
キス…できた…わ」
「わ…そうか…まあ,
よかったな!」
「それに,俺のダチと
話していたのは,
単に,相談していた
だけだったらしくて…」
「そうか」
橘はニカっと笑って,
言った。
「先生の言う通りだった。
ちゃんと言葉にしないと
伝わらないって」
「ああ…そうだろ?」
朔は嬉しそうに
そう笑った。
「あ,そういや,
先生の方は
どうだったんすか?」
「あ…ああ…
俺も…ちゃんと
言葉にしたから…
…伝わったよ…」
「え?え?
じゃあ」
「ああ…
うまくいった。
ありがと」
そう朔が言うと
橘は大声ではしゃいだ。
「まじで!
すげー,よかったすね
先生!」
「馬鹿お前,
大きな声で言うなよ!」
朔は照れながら,
橘の様子をほほえましく見ていた。
保健室に立ち寄り,
中村先生にも報告に来た。
「あ,先生。
おはようございます」
「あら,朔ちゃん。
どうしたの?」
「いや…その…
ご…ご報告」
「え?」
「陽和にプロポーズしました」
「ええっ!!?」
「あの…
結婚することになりました」
「えええええっ!!
まあ,ホント!!!
おめでとう!!!」
中村先生は,朔を
ぎゅっと抱きしめた。
「よかったわねえ。
ホントによかった」
今度は中村先生は
泣き始めてしまった。
「もう,紆余曲折あったけど
よかったわあ…ホント」
朔は照れくさそうに言った。
「心配かけましたけど…
なんとか,陽和と,
家族になることができました」
「まあ,そうなのね。
よかったよかった。
もう,入籍したの?」
「あ…いや,
お互い仕事のことがあるので
切りのいい時に…ということで
3月に…入籍しようかと」
「ああ,そうなのね。
まあ,よかった,ホントに」
中村先生はまた,にっこりと
笑った。
「由宇ちゃんも
喜んでたでしょ?」
「ええ,ホントに。
ただ,俺がもし断られたら
自分が陽和をもらうって
宣言されちゃったから
焦りましたよ」
「ええ?まあ…」
中村先生はクスッと笑う。
「そりゃあ,強力な
ライバルが出現したわね」
「まあ,俺は…
負けませんよ。
陽和に対する思いは,
絶対に誰にも…」
「まあ,そうね,
朔ちゃんの陽和ちゃんへの
執着心といったら,
…類を見ないものね…」
中村先生は朔と目を合わせて
思いっきり笑った。
「でも,よかったわ。
ホント。
幸せに…なるのよ…
3人で」
「…はい」
朔は,中村先生の
言葉を噛みしめていた。