朔旦冬至 さくたんとうじ ~恋愛日和~
飛行機が飛びたつ。

朔と陽和,4人の子どもたちは
由宇が乗った飛行機を
見送った。

「由宇も一人前になったな」

「ええ…
 早く帰ってきてくれたら
 いいなあ…」

「陽和,今,そんなで大丈夫?」

「え?」

「すぐに,独立だ,結婚だって
 なるよ,きっと」

朔は,陽和の頭を撫でながら
そう言った。

「うーん…
 寂しいけど…
 我慢しないと…いけないよね」

「そうだよ,ちゃんと
 お前は約束守ったろ?」

「え?」

「『大きくなるまで
 ずっと一緒にいる』って」

朔は優しい声でそう告げる。

「あ…ああ…」

「由宇はあの言葉が
 ずっと支えだったらしいぞ」

「そ…そうなの?」

「ああ。
 だから,陽和は約束,
 ちゃんと守ったよ」

「…うん」

「俺との約束も守ってよ?」

「ん…?」

「俺とは…
 一生…そばにいるって
 約束…したろ?」

「…うん…」

陽和が赤い顔をして頷くと,
朔は,後ろからハグをして
陽和の頬にキスをした。

「あー,また,
 パパとママチューしてる」

「もう,人前でやめてよね」

「ホント,相変わらず
 ラブラブ…」

「ママ,ぼくにも~」

「ダメ,陽和は俺の物!」

「もう…朔ちゃん…ったら…」

陽和は困りながらも
少し幸せそうな顔を
していた。

~END~

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