朔旦冬至 さくたんとうじ ~恋愛日和~
その日の夕方。
朔はいつものように
5時過ぎに学校を出る。
いつもよりも・・・
緊張した面持ちで・・・。
朔は保健室を出た後,
いろいろと考えていたが
覚悟を・・・決めた。
とにかく・・・逢いに
行こう。
いろいろなことを
考えても仕方ない。
あんなにきれいで
可愛らしい彼女だ。
きっと・・・恋人は
いるだろう・・・。
それでもいい・・。
とにかく・・・
逢って・・・話が・・・
してみたいんだ・・・。
そして,
近くにいることを
知ってほしい。
ただ・・・
それだけでいい・・・。
こんなに前向きに
・・・恋愛がらみのことを
考えたのはいつ以来だろう?
朔はそう思い返していた。
もしかしたらあのとき,
陽和に告白して
以来かもしれない。
先のことなんて
どうでもいいんだ・・・
とにかく・・少しでも
陽和の近くへ
行きたい・・・。
保育園まで徒歩3分。
逸る気持ちを押さえながら
朔は歩を進めた。
由宇を迎えに行く前に・・・
一目・・・陽和に会って
挨拶したい。
そういう気持ちで
朔は,
れんげ組ではなく・・・
隣のすみれ組を覗いた。
すみれ組には背の高い
女性が一人でいた。
朔と目が合い,
不思議そうな顔で
こちらに出てきた。
「あ・・えっと
どうかされましたか?」
すみれ組には子どもは
残っておらず,
その女性・・美和子は
不思議そうな顔で
朔に問いかけた。
「あ・・・えっと・・
・・あ・・え・・・。」
朔は想定していなかった
事態に・・とても
戸惑いつつも・・・
思い切って聞いてみた。
「あの・・・ひよ・・・
えっと・・・・
高須賀先生は・・・?」
「あ・・・高須賀は,
今日は夕方から出張でして・・。」
その日,陽和は,
異動前にいた南保育園へ
用があって出張に
言っていた。
「あ・・あの・・・?」
少し不可解な表情の
美和子に,朔は
慌てて事情を説明した。
「あ・・えっと,
僕,えっと
れんげ組の高比良由宇の
保護者でして・・・
その・・・
園だよりで
ひよ・・高須賀先生の
名前を見かけて・・・。
あの・・・し・・
知り合いというか・・・
小学校の時の
同級生なんです。
で・・・高須賀先生
珍しい名前だから
本人かなと思って
懐かしくなって・・・。」
「ああ!
そうだったんですかあ。
まあ,それはそれは。
月曜なら陽和先生
いますから,
また,声かけてください!
私も伝えておきます!」
「あ・・・は・・・
はい・・・。
ありがとうございます。」
朔は,美和子の口から
陽和に伝えられることに
少し戸惑いは感じたが,
美和子の申し出を
ここで断るのも
かえっておかしいので,
そう言って了承した。
「おーい,由宇。
迎えに来たよ。」
朔は吹っ切れた表情で
由宇を迎えに
となりのれんげ組に
顔を出した。
「あ,由宇ちゃん。
お迎えがきたよ~。」
「はーい。」
古川先生はにっこりと笑って
由宇に帽子とカバンを手渡す。
「お世話になります。」
「今日もお疲れ様です。」
朔は由宇をひょいと
肩に乗せて帰路につく。
「今日はどうだった?
由宇?」
「うん,きょうはね・・」
由宇はうれしそうに
今日の出来事を話し
始めた。
こうやって由宇と話しながら
家に帰るのが
朔の至福の一時。
陽和には
会えなかったけれど・・・
次はきっと・・・。
なぜかわからないけれど
朔は次に進めるような
気がしていた。
朔はいつものように
5時過ぎに学校を出る。
いつもよりも・・・
緊張した面持ちで・・・。
朔は保健室を出た後,
いろいろと考えていたが
覚悟を・・・決めた。
とにかく・・・逢いに
行こう。
いろいろなことを
考えても仕方ない。
あんなにきれいで
可愛らしい彼女だ。
きっと・・・恋人は
いるだろう・・・。
それでもいい・・。
とにかく・・・
逢って・・・話が・・・
してみたいんだ・・・。
そして,
近くにいることを
知ってほしい。
ただ・・・
それだけでいい・・・。
こんなに前向きに
・・・恋愛がらみのことを
考えたのはいつ以来だろう?
朔はそう思い返していた。
もしかしたらあのとき,
陽和に告白して
以来かもしれない。
先のことなんて
どうでもいいんだ・・・
とにかく・・少しでも
陽和の近くへ
行きたい・・・。
保育園まで徒歩3分。
逸る気持ちを押さえながら
朔は歩を進めた。
由宇を迎えに行く前に・・・
一目・・・陽和に会って
挨拶したい。
そういう気持ちで
朔は,
れんげ組ではなく・・・
隣のすみれ組を覗いた。
すみれ組には背の高い
女性が一人でいた。
朔と目が合い,
不思議そうな顔で
こちらに出てきた。
「あ・・えっと
どうかされましたか?」
すみれ組には子どもは
残っておらず,
その女性・・美和子は
不思議そうな顔で
朔に問いかけた。
「あ・・・えっと・・
・・あ・・え・・・。」
朔は想定していなかった
事態に・・とても
戸惑いつつも・・・
思い切って聞いてみた。
「あの・・・ひよ・・・
えっと・・・・
高須賀先生は・・・?」
「あ・・・高須賀は,
今日は夕方から出張でして・・。」
その日,陽和は,
異動前にいた南保育園へ
用があって出張に
言っていた。
「あ・・あの・・・?」
少し不可解な表情の
美和子に,朔は
慌てて事情を説明した。
「あ・・えっと,
僕,えっと
れんげ組の高比良由宇の
保護者でして・・・
その・・・
園だよりで
ひよ・・高須賀先生の
名前を見かけて・・・。
あの・・・し・・
知り合いというか・・・
小学校の時の
同級生なんです。
で・・・高須賀先生
珍しい名前だから
本人かなと思って
懐かしくなって・・・。」
「ああ!
そうだったんですかあ。
まあ,それはそれは。
月曜なら陽和先生
いますから,
また,声かけてください!
私も伝えておきます!」
「あ・・・は・・・
はい・・・。
ありがとうございます。」
朔は,美和子の口から
陽和に伝えられることに
少し戸惑いは感じたが,
美和子の申し出を
ここで断るのも
かえっておかしいので,
そう言って了承した。
「おーい,由宇。
迎えに来たよ。」
朔は吹っ切れた表情で
由宇を迎えに
となりのれんげ組に
顔を出した。
「あ,由宇ちゃん。
お迎えがきたよ~。」
「はーい。」
古川先生はにっこりと笑って
由宇に帽子とカバンを手渡す。
「お世話になります。」
「今日もお疲れ様です。」
朔は由宇をひょいと
肩に乗せて帰路につく。
「今日はどうだった?
由宇?」
「うん,きょうはね・・」
由宇はうれしそうに
今日の出来事を話し
始めた。
こうやって由宇と話しながら
家に帰るのが
朔の至福の一時。
陽和には
会えなかったけれど・・・
次はきっと・・・。
なぜかわからないけれど
朔は次に進めるような
気がしていた。