朔旦冬至 さくたんとうじ ~恋愛日和~
翌日。木曜日。
今日も,いつもどおり
朔を送りながら・・・
でも昨日とはちょっとだけ
違う気持ちで
すみれ組の方を見遣った。
陽和は朔の方をちらりと見て
ほんの少しだけ
上目遣いで微笑んだ。
ゆっくりあの大きな瞳を
閉じて・・・開けて・・・
アイコンタクトをとる・・。
朔はそれをみて,
ギュッと胸が締め付け
られるのを感じた。
まるで・・・
あの頃の感情が
そのままよみがえって
来るように・・・。
外見も・・・
そして中身も・・
すっかり大人になって・・・
多分お互いに・・
だと思うけれど・・・
社会人として真っ当に
生活している。
社会人としての人間関係の
築き方も少しずつ
慣れてきて・・・
それでも・・・
恋愛だけは・・
ずっとずっと・・・
置き去りのままだった。
でも・・
少なくとも朔の中では・・
それは・・・再び
動き出していて・・・
恋愛レベルは
中学生並かもしれないけれど
それでもいい・・・。
自分なりの・・
やり方で・・・また・・
陽和と・・恋がしたい。
昼休憩。
最近,朔は
昼食を保健室で食べることが
増えてきていた。
「で?どうだったの?」
「あ・・・はあ・・
まあ・・・会話は
できたんですけど・・。」
「うんうん。」
「まあ・・・ちょこっとだけ・・。」
そう言いながら
朔は陽和の昨日の涙と
今朝の笑顔を思い出して
顔を赤くしていた。
「ああ・・なんか・・・
もう・・・
わーって・・・
感じです。」
そう言いながら
朔は自分の髪を
くしゃくしゃっとした。
「あはは・・・大男が
随分と悩んでるわねえ・・。」
中村先生は,
大きな体の朔が
縮こまって悩んでいる
様子が滑稽で・・苦笑した。
「いや・・・先生・・
もう俺・・ホント
わけわかんなく
なってきちゃって・・・。」
そういって
朔は頭を抱える。
中村先生はその様子を見て
そっとコーヒーを差し出す。
「なんかわかんないけど・・・
陽和の顔見ると・・・
苦しく・・・って・・・。」
「朔ちゃん。」
ちょっと涙声の朔に
中村先生は母のような気持ちで
寄り添う。
そんな様子に朔は少し照れた。
「俺・・・やっぱ・・・
恋愛レベルは・・・
中学生並みなんすかね?」
「え・・・?
あはは・・・。
確かにそうかも。
この間の別れ話
どうのこうのの
お兄さんの方が
よっぽどオトナかもねえ。」
「・・・はは・・・確かに。」
「だけど・・・
それでもいいんじゃないかな?」
「え?」
中村先生の意外な言葉に
朔は振り返った。
「それだけ・・・
純粋な思いってことでしょ?
いろいろなしがらみを
考えずに・・・
突き進んでみたら?」
「・・・そ・・・
そうですね・・・。
うん・・・
そうかも・・・
いろいろ考えていても
仕方ない・・・
・・・ですもんね。」
朔の頭の中は
雲が晴れたようにすっきりしていた。
もう自分の気持ちに
嘘はつけない。
やっぱり俺・・・
陽和のことが好きだ。
昔の・・・じゃない。
今の・・陽和が・・・。
朔の気持ちは・・・
既に固まりつつあった。
今日も,いつもどおり
朔を送りながら・・・
でも昨日とはちょっとだけ
違う気持ちで
すみれ組の方を見遣った。
陽和は朔の方をちらりと見て
ほんの少しだけ
上目遣いで微笑んだ。
ゆっくりあの大きな瞳を
閉じて・・・開けて・・・
アイコンタクトをとる・・。
朔はそれをみて,
ギュッと胸が締め付け
られるのを感じた。
まるで・・・
あの頃の感情が
そのままよみがえって
来るように・・・。
外見も・・・
そして中身も・・
すっかり大人になって・・・
多分お互いに・・
だと思うけれど・・・
社会人として真っ当に
生活している。
社会人としての人間関係の
築き方も少しずつ
慣れてきて・・・
それでも・・・
恋愛だけは・・
ずっとずっと・・・
置き去りのままだった。
でも・・
少なくとも朔の中では・・
それは・・・再び
動き出していて・・・
恋愛レベルは
中学生並かもしれないけれど
それでもいい・・・。
自分なりの・・
やり方で・・・また・・
陽和と・・恋がしたい。
昼休憩。
最近,朔は
昼食を保健室で食べることが
増えてきていた。
「で?どうだったの?」
「あ・・・はあ・・
まあ・・・会話は
できたんですけど・・。」
「うんうん。」
「まあ・・・ちょこっとだけ・・。」
そう言いながら
朔は陽和の昨日の涙と
今朝の笑顔を思い出して
顔を赤くしていた。
「ああ・・なんか・・・
もう・・・
わーって・・・
感じです。」
そう言いながら
朔は自分の髪を
くしゃくしゃっとした。
「あはは・・・大男が
随分と悩んでるわねえ・・。」
中村先生は,
大きな体の朔が
縮こまって悩んでいる
様子が滑稽で・・苦笑した。
「いや・・・先生・・
もう俺・・ホント
わけわかんなく
なってきちゃって・・・。」
そういって
朔は頭を抱える。
中村先生はその様子を見て
そっとコーヒーを差し出す。
「なんかわかんないけど・・・
陽和の顔見ると・・・
苦しく・・・って・・・。」
「朔ちゃん。」
ちょっと涙声の朔に
中村先生は母のような気持ちで
寄り添う。
そんな様子に朔は少し照れた。
「俺・・・やっぱ・・・
恋愛レベルは・・・
中学生並みなんすかね?」
「え・・・?
あはは・・・。
確かにそうかも。
この間の別れ話
どうのこうのの
お兄さんの方が
よっぽどオトナかもねえ。」
「・・・はは・・・確かに。」
「だけど・・・
それでもいいんじゃないかな?」
「え?」
中村先生の意外な言葉に
朔は振り返った。
「それだけ・・・
純粋な思いってことでしょ?
いろいろなしがらみを
考えずに・・・
突き進んでみたら?」
「・・・そ・・・
そうですね・・・。
うん・・・
そうかも・・・
いろいろ考えていても
仕方ない・・・
・・・ですもんね。」
朔の頭の中は
雲が晴れたようにすっきりしていた。
もう自分の気持ちに
嘘はつけない。
やっぱり俺・・・
陽和のことが好きだ。
昔の・・・じゃない。
今の・・陽和が・・・。
朔の気持ちは・・・
既に固まりつつあった。