朔旦冬至 さくたんとうじ ~恋愛日和~
明けて,月曜日。
「おはようございます。」
「あ・・お・・おはようございます。」
朔は大きな声ですみれ組に
挨拶をした。
美和子はくすっと笑って
一緒にあいさつした。
陽和は真っ赤な顔をして
頭を下げる。
そして,上目遣いに朔を見上げ
真っ赤な顔をして
ちょっぴり微笑んで・・・
・・・そっと手を振った。
そんな様子を見て・・・
朔は陽和のことが
ホントにかわいくて・・・
胸が苦しくなった。
もう・・・俺・・・
どうしたらいいんだ・・・?
今すぐ叫んでしまいたい・・・
「陽和!好きだ!」・・って。
朔は満足そうな,
でもどこか苦しそうな顔をして
手を振って園の敷地を出て行った。
「週末に進展がありましたね?」
美和子は陽和の耳元で
そう囁いて笑った。
朔は陽和の表情を見るたび
うれしくなっていた。
もしかして・・手ごたえ
あり・・・なのか・・?
だけど・・・
心の端っこにちょっとだけ
ひっかかるものがある。
あのときの・・・男性は・・?
一昨日の陽和の表情を見ていたら
そんなことは・・ないような
気もするんだけど・・・。
それでも朔は気になっていた。
勤務先に入ると,
明らかにウキウキしている
朔の様子は,
中村先生だけでなく,
生徒も他の教員も
気が付くほどだった。
事情を知っていた中村先生さえ
目を疑ってしまうほど・・・
朔の顔は緩み切っていた。
「おはよう,朔ちゃん。
なんか,いいことあったのね。」
「え?え?
また・・顔に出てますか?」
中村先生はコクリと頷いた。
「え?たったそれだけ?」
保健室で昨日のことを話すと,
中村先生は呆れてそういった。
「え?俺にとっては
大進展なんですけど!?」
「はあ・・・。」
中村先生はあきれながらも
朔のうれしそうな顔を見て,
少しだけ安堵した。
「まあ,いいや。
とりあえず,0.1歩くらい
前進だものね。」
「え?0.1歩ですか?」
「ええ!
あのね,25歳の男女なのよ?
そんなもの,0.1歩くらいの
もんでしょうよ?」
「は・・・はあ・・。」
朔は「そうか?あんなに
緊張したのに?」と思いながら
コーヒーを口に含んだ。
「でも,朔ちゃんの今日の
顔ったらなかったわよ。
鼻の下伸びきっちゃって・・・。」
「え・・まじっすか?」
そういいながら朔は
自分の「鼻の下」を撫でた。
「いや,でも,
ホント,先生に言っても
仕方ないんですけど」
「ん?」
「陽和・・・めっちゃ
かわいいんですよ・・・
ホント・・俺・・・
どうしていいか
わからないくらい・・・。
ああ・・・もう・・・
どうすればいいんですかねえ。」
「・・・あのねえ・・
朔ちゃん。」
またあきれ顔で中村先生は言う。
「どうすればも何も・・。
思いは言葉にしないと
伝わらないのよ?」
「言葉に?」
「ええ・・・!
そう!言葉に
しないと伝わらないの!」
「・・・・そう・・ですね。」
朔はそう思いつつも
小さなことで胸が苦しくなる
自分が・・・
陽和に告白なんて
できるのだろうかと
思い悩んでいた。
「おはようございます。」
「あ・・お・・おはようございます。」
朔は大きな声ですみれ組に
挨拶をした。
美和子はくすっと笑って
一緒にあいさつした。
陽和は真っ赤な顔をして
頭を下げる。
そして,上目遣いに朔を見上げ
真っ赤な顔をして
ちょっぴり微笑んで・・・
・・・そっと手を振った。
そんな様子を見て・・・
朔は陽和のことが
ホントにかわいくて・・・
胸が苦しくなった。
もう・・・俺・・・
どうしたらいいんだ・・・?
今すぐ叫んでしまいたい・・・
「陽和!好きだ!」・・って。
朔は満足そうな,
でもどこか苦しそうな顔をして
手を振って園の敷地を出て行った。
「週末に進展がありましたね?」
美和子は陽和の耳元で
そう囁いて笑った。
朔は陽和の表情を見るたび
うれしくなっていた。
もしかして・・手ごたえ
あり・・・なのか・・?
だけど・・・
心の端っこにちょっとだけ
ひっかかるものがある。
あのときの・・・男性は・・?
一昨日の陽和の表情を見ていたら
そんなことは・・ないような
気もするんだけど・・・。
それでも朔は気になっていた。
勤務先に入ると,
明らかにウキウキしている
朔の様子は,
中村先生だけでなく,
生徒も他の教員も
気が付くほどだった。
事情を知っていた中村先生さえ
目を疑ってしまうほど・・・
朔の顔は緩み切っていた。
「おはよう,朔ちゃん。
なんか,いいことあったのね。」
「え?え?
また・・顔に出てますか?」
中村先生はコクリと頷いた。
「え?たったそれだけ?」
保健室で昨日のことを話すと,
中村先生は呆れてそういった。
「え?俺にとっては
大進展なんですけど!?」
「はあ・・・。」
中村先生はあきれながらも
朔のうれしそうな顔を見て,
少しだけ安堵した。
「まあ,いいや。
とりあえず,0.1歩くらい
前進だものね。」
「え?0.1歩ですか?」
「ええ!
あのね,25歳の男女なのよ?
そんなもの,0.1歩くらいの
もんでしょうよ?」
「は・・・はあ・・。」
朔は「そうか?あんなに
緊張したのに?」と思いながら
コーヒーを口に含んだ。
「でも,朔ちゃんの今日の
顔ったらなかったわよ。
鼻の下伸びきっちゃって・・・。」
「え・・まじっすか?」
そういいながら朔は
自分の「鼻の下」を撫でた。
「いや,でも,
ホント,先生に言っても
仕方ないんですけど」
「ん?」
「陽和・・・めっちゃ
かわいいんですよ・・・
ホント・・俺・・・
どうしていいか
わからないくらい・・・。
ああ・・・もう・・・
どうすればいいんですかねえ。」
「・・・あのねえ・・
朔ちゃん。」
またあきれ顔で中村先生は言う。
「どうすればも何も・・。
思いは言葉にしないと
伝わらないのよ?」
「言葉に?」
「ええ・・・!
そう!言葉に
しないと伝わらないの!」
「・・・・そう・・ですね。」
朔はそう思いつつも
小さなことで胸が苦しくなる
自分が・・・
陽和に告白なんて
できるのだろうかと
思い悩んでいた。