朔旦冬至 さくたんとうじ ~恋愛日和~
朔が帰ったあと,
自宅へ駆け込んだ陽和は
ベッドに飛び込んで
ひたすら泣いていた。


 わ・・・

 私・・・


 言ってしまった・・・・。





だけどそのときの
困ったような朔の表情に
陽和は・・・
辛さを感じていた。





 バカ・・だな私。

 こんなにがっかりするなんて・・・


 どこかで期待してたんじゃない。










今日の朔の様子で・・
自分に好意をもって
くれているんじゃないか
なんて・・・

どこか淡い期待を
していたのかもしれない。

だから・・・
今・・・

せっかく
「思いを告げる」という
目標を達成したというのに・・・

こんなに涙が・・・出るんだ。



 でも・・・


 ちゃんと・・・
 言えたから。


 ずっと・・好きだったことも・・。





 今・・・朔ちゃんを
 好きだってことも。






 だから・・・

 よかったんだ。これで。









 きっと私は・・・また・・・

 いつか・・・


 次に歩みだせる。













 朔ちゃんを卒業して・・・。










 だから・・・今は・・・



 もう少しだけ・・・


 はじめての「失恋」に・・・


 涙を流させて・・
 ください。




 ね・・・


 朔ちゃん・・・・。
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