朔旦冬至 さくたんとうじ ~恋愛日和~
「え・・・・!?
え・・・・・
さ・・・朔ちゃん?」
陽和は驚いて・・・
震える唇で・・・
朔の名を・・
呼んだ。
「ごめん・・陽和・・・
ごめん・・・・。」
そういいながら,朔は
陽和の体をさらに
きつくきつく
抱きしめた。
「さ・・朔ちゃん・・
く・・苦しい。」
体の大きな朔に
思いっきり抱きしめられた
陽和は・・・
物理的なのか心理的なのか
わからないけれど・・・
苦しくてたまらなかった。
「ごめん。陽和。
俺・・・
ものすごく・・・
陽和を傷つけた・・・な。」
「え・・・・・。」
「・・・大好きな人を
こんなに傷つけるなんて・・・
俺・・ホントに・・・
だめだな・・・。」
「え・・・・・。」
朔ちゃん・・・
今・・・
何・・・て・・・?
「この間の事・・
謝る。
ちゃんと返事できなくて
ごめん。
でも・・・誤解・・・だから。
ごめん。
俺・・・あまりに
うれしすぎて・・・
ちゃんと・・・
返事できなかった。」
「え・・・・?」
朔は陽和の肩を持って・・・
少し屈んで・・・
陽和と視線を合わせた。
「陽和・・・・
好きだ・・・・・。」
そういって・・・
ちょっとだけ
微笑んだ後・・・
また,陽和を
ぎゅっと・・・
力いっぱい抱きしめた。
「う・・・嘘・・・。」
陽和は目を丸くして
息をのんだ。
まだ・・信じられなくて・・・
「嘘じゃないって・・・。
俺・・陽和が好きだ。
今だけじゃない・・
ずっとずっと好きだった。」
「え・・・嘘・・・でしょ?」
陽和は・・
一度あきらめかけていた気持ちを
立て直すのに時間がかかっていた。
「ホント・・・だって。
信じてもらえないなら・・
ずっとずっと
言い続けるよ・・・。
好きだ・・・陽和。
好きで好きで・・
苦しくてたまんないくらい
陽和のことが好きだ。」
「・・・朔ちゃん・・・。」
陽和は・・・
そういわれながら・・・
朔にきつく抱きしめられた。
・・・・そして・・・
いつしか・・・
気を失っていた。