朔旦冬至 さくたんとうじ ~恋愛日和~
静かになった保健室で
朔は・・・さっきまで
中村先生が座っていた
ベッドの横の丸椅子に腰を掛ける。
陽和は・・赤い顔をして
朔の方をちらっと見る。
「あの・・・
ご・・ごめんな・・
話・・聞いちゃって。」
「あ・・ううん・・・。」
「・・でも・・・
俺・・うれしくて・・・
・・・びっくりした。」
「・・・うん。」
陽和はちょっと目を
うるませて,恥ずかしそうに
微笑んだ。
「でもさ・・・
陽和だけじゃ・・ないからな。」
「え?」
「・・・ずっと好きだったって
いったろ?」
「・・うん・・・。」
朔はやわらかく微笑んで
陽和の方を見た。
「・・・陽和だけ・・恥ずかしいのも
悪いからさ・・・。
俺も・・告白。
俺も・・・
あれから・・・
小学校の時から・・・
他の人のこと
好きになれなかった。
ずっとずっと・・・
陽和の笑顔を思いながら
生きてきました。」
「え・・・?
・・・うそ・・・。」
陽和はまた息をのんで・・・
涙をポロリと落とした。
「・・そろそろ,俺を
信用してくれよ・・・。」
そういう朔に
陽和はクスリと笑った。
「ホントだから・・・
もう・・陽和のこと・・
ずっと思い続けた・・
あなたのことを・・・
離したくない。」
「・・・・。」
陽和は震える指で
涙をぬぐう。
朔は・・そっと
陽和の手を握る。
陽和は・・・ちょっぴり
困り顔で・・・でも・・
どこか嬉しそうに
朔の方を見た。
「陽和・・・・。
好きです。
・・・俺と・・
付き合ってください。」
夢にさえ・・見ることがなかった
この瞬間を・・・
陽和は・・・体じゅうで
受け止めていた。
「・・・はい。」
そういった陽和の手を
朔は・・・ぎゅっと握り・・
そのまま・・手の甲に
そっと・・・
キスをした。
しばらく二人は・・・
お互いを見つめていた。
だけど・・・
お互いの思いを確認した今,
その沈黙は・・・
心地よい・・・
幸せな・・・空気を纏った。
「昔より・・・照れるな・・。」
「・・・。」
陽和は泣き笑いの顔で
朔を見つめた。
「・・・陽和・・・
ホント・・・
たまんなく・・かわいい・・。」
「え・・・?
や・・やだ・・。朔ちゃん。」
二人はそう言って笑いあった。
「陽和・・・?
起き上がれそう?」
「あ・・うん。」
朔はそっと手を差し伸べて
陽和を立たせた。
「よかった・・・
元気・・だな?」
「あ・・うん。」
陽和は・・・
自分より40センチも高い
朔の方を見上げた。
朔は・・たまらなくなって
上を向く。
「あ・・・ええ・・っと・・
陽和・・・
あの・・・
・・・手
つないでも・・・いい?」
「え?・・・あ・・・。」
陽和は耳を赤くしながらも
コクリとうなずいた。
朔はその大きな手で、
陽和の小さな手を
そっと握った。
「ホントに・・・陽和・・
俺で・・・いいの?」
「え・・・。」
陽和は顔を真っ赤にして
視線を反らしながら言った。
「…朔ちゃんじゃなきゃ…
ダメなの。」
そう言う陽和に…
朔は一瞬驚いて
目を見開いた。
そして・・・朔の胸は
また心地よい痛みを感じた。
「・・・よかった。
由宇に・・・報告できるわ。」
「え?」
「俺・・・『陽和先生』と
仲直りするって
由宇と約束してたから。」
「え・・・仲直り?」
「・・・うん。仲直り。」
「ふふ・・・。」
そういって二人は,
保健室の電気を消して
そっと外に出た。
朔は・・・さっきまで
中村先生が座っていた
ベッドの横の丸椅子に腰を掛ける。
陽和は・・赤い顔をして
朔の方をちらっと見る。
「あの・・・
ご・・ごめんな・・
話・・聞いちゃって。」
「あ・・ううん・・・。」
「・・でも・・・
俺・・うれしくて・・・
・・・びっくりした。」
「・・・うん。」
陽和はちょっと目を
うるませて,恥ずかしそうに
微笑んだ。
「でもさ・・・
陽和だけじゃ・・ないからな。」
「え?」
「・・・ずっと好きだったって
いったろ?」
「・・うん・・・。」
朔はやわらかく微笑んで
陽和の方を見た。
「・・・陽和だけ・・恥ずかしいのも
悪いからさ・・・。
俺も・・告白。
俺も・・・
あれから・・・
小学校の時から・・・
他の人のこと
好きになれなかった。
ずっとずっと・・・
陽和の笑顔を思いながら
生きてきました。」
「え・・・?
・・・うそ・・・。」
陽和はまた息をのんで・・・
涙をポロリと落とした。
「・・そろそろ,俺を
信用してくれよ・・・。」
そういう朔に
陽和はクスリと笑った。
「ホントだから・・・
もう・・陽和のこと・・
ずっと思い続けた・・
あなたのことを・・・
離したくない。」
「・・・・。」
陽和は震える指で
涙をぬぐう。
朔は・・そっと
陽和の手を握る。
陽和は・・・ちょっぴり
困り顔で・・・でも・・
どこか嬉しそうに
朔の方を見た。
「陽和・・・・。
好きです。
・・・俺と・・
付き合ってください。」
夢にさえ・・見ることがなかった
この瞬間を・・・
陽和は・・・体じゅうで
受け止めていた。
「・・・はい。」
そういった陽和の手を
朔は・・・ぎゅっと握り・・
そのまま・・手の甲に
そっと・・・
キスをした。
しばらく二人は・・・
お互いを見つめていた。
だけど・・・
お互いの思いを確認した今,
その沈黙は・・・
心地よい・・・
幸せな・・・空気を纏った。
「昔より・・・照れるな・・。」
「・・・。」
陽和は泣き笑いの顔で
朔を見つめた。
「・・・陽和・・・
ホント・・・
たまんなく・・かわいい・・。」
「え・・・?
や・・やだ・・。朔ちゃん。」
二人はそう言って笑いあった。
「陽和・・・?
起き上がれそう?」
「あ・・うん。」
朔はそっと手を差し伸べて
陽和を立たせた。
「よかった・・・
元気・・だな?」
「あ・・うん。」
陽和は・・・
自分より40センチも高い
朔の方を見上げた。
朔は・・たまらなくなって
上を向く。
「あ・・・ええ・・っと・・
陽和・・・
あの・・・
・・・手
つないでも・・・いい?」
「え?・・・あ・・・。」
陽和は耳を赤くしながらも
コクリとうなずいた。
朔はその大きな手で、
陽和の小さな手を
そっと握った。
「ホントに・・・陽和・・
俺で・・・いいの?」
「え・・・。」
陽和は顔を真っ赤にして
視線を反らしながら言った。
「…朔ちゃんじゃなきゃ…
ダメなの。」
そう言う陽和に…
朔は一瞬驚いて
目を見開いた。
そして・・・朔の胸は
また心地よい痛みを感じた。
「・・・よかった。
由宇に・・・報告できるわ。」
「え?」
「俺・・・『陽和先生』と
仲直りするって
由宇と約束してたから。」
「え・・・仲直り?」
「・・・うん。仲直り。」
「ふふ・・・。」
そういって二人は,
保健室の電気を消して
そっと外に出た。