present box
「うらやましいわ。私も王族でなかったら、誰かと恋していたのかしら。」
そんなことを考えているうちに、いつもの就寝時間から半時ほど過ぎてしまった。
明日も早い。そろそろ寝ようか。
イザリナはベッドにもぐりこんだ。
「よい夢が見られますように。」
柄にもなく、そんな願い事をしてから。
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「……い……そっ…」
「…ま……け……」
深夜。寝ているイザリナの耳に、ざわざわとした物音が飛び込んできた。
大勢の人が、遠くで走っているような。
「ん…こんな時間に、なに…?」
まだぼんやりとしたままだったが、ベッドから身を起こす。