present box


「うらやましいわ。私も王族でなかったら、誰かと恋していたのかしら。」


そんなことを考えているうちに、いつもの就寝時間から半時ほど過ぎてしまった。

明日も早い。そろそろ寝ようか。


イザリナはベッドにもぐりこんだ。


「よい夢が見られますように。」


柄にもなく、そんな願い事をしてから。




++++++


「……い……そっ…」

「…ま……け……」


深夜。寝ているイザリナの耳に、ざわざわとした物音が飛び込んできた。

大勢の人が、遠くで走っているような。


「ん…こんな時間に、なに…?」


まだぼんやりとしたままだったが、ベッドから身を起こす。


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