甘苺

頭に入らない授業が、おわって
掃除を終えてから全校生徒500人が一気に下校する。

明水高校生が毎日利用する貝沢駅に
向かって私も歩き出した。

いつもは嬉しくて仕方が無い
貝沢駅までの時間は憂鬱なものだった。

家につきたくないよ。
このまま歩いてたいよ。

トボトボと鉛のように重い私の
足を1歩 また1歩と家まで近づけていく。

ーガチャー

「ただいま…」

すぐにお母さんのお帰りの声
見覚えのない私より数センチ大きい茶色のローファー

でた。本郷 新。堂々と帰宅したか!

とりあえず自分の部屋にこもるとするかな


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