超能力者も恋をする
涙で滲んだ目を擦って電気を消そうとしたその時、電話が鳴った。
こんな時間に来るなんて不審に思いつつ見てみると、また非通知の番号だった。
怖くなって出ないで切ってしまう。
ヴーヴーヴー
それでもまたすぐかかって来て、思わずヒッと息を飲む。諦めて今度は出てみると、
「…もしもし？」
「………。」

やはり誰も出なく気味の悪い沈黙だけが聞こえてきた。すぐさま切って、携帯の電源も落とす。
背筋が凍りつく。
一体誰が、何の目的で、こんな事をするのだろう？
体は疲れているのに、中々寝付けなくなってしまいやっと寝たのは明け方近くになってからだった。

「間宮、朝だぞ、起きろー！」
コンコンとドアをのっくする音と共に聞こえる加藤先輩の声で目を覚ます。
時計を見るともう7時を過ぎていた。慌ててベットから飛び起きて、ドアを開ける。
「おはよう、間宮。大丈夫か？体調悪いのか？」
心配そうにしてくれて先輩が顔を覗き込んできた。
「…大丈夫です。ただ寝坊しちゃっただけで…。起こしてくれてありがとうございます。」
加藤先輩は少し不審がっていたけど、朝食は出来てるからとリビングに先に行った。

あの無言電話の事を言おうか迷ったけど、昨日美弥さんの事があった先輩にまた自分の事で心配をかけたく無かったから言わないでおいた。
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