超能力者も恋をする
リビングでは先に先輩が朝ごはんを食べていた。今日はトーストと目玉焼きにベーコン、レタスのサラダのシンプルだけど美味しい組合せだった。

「間宮、さっき連絡があったんだけど、美弥も赤ちゃんも無事だったそうだ。けれど、念の為数日は入院して様子を見るんだって。
心配かけて、すまなかった。」
「あぁ!良かった!本当に良かった。
先輩、謝らなくて大丈夫ですよ。」
無事の知らせを聞いて心から安堵した。
安心して思わず涙が出てきた。

「間宮、泣いてるのか?!」
何でか自分でも分からないが、安心した事や、色んな気持ちがごちゃごちゃしてたら思わず涙が出てきた。

「もしかして、やっぱり昨日力を使い過ぎて体調悪いんじゃないか? 顔色も悪いよ…。」

先輩が心配して涙を拭うすみれの手に触れてきた。
(あ…。)

けれど触れた瞬間、すみれは先輩の手をバッと払い退けた。
突然、映像が頭の中に入ってきた。
昨日、帰ってきてから佐川さんにと連絡して、美弥さんを心配してため息をつく先輩の姿の映像が見えた。

「…あ、ご、ごめんなさい。私…。」
突然の出来事にすみれも先輩も驚いてその場に立ちすくむ。
「ごめんなさい、私先に行きます。」
それだけ言うのがやっとで、すみれは足早に出て行った。
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