超能力者も恋をする

プラムに着くと、マスターはテーブルを動かしてソファに寝れるように整えてくれてすみれは横にならせて貰った。
「お店はお昼からだから、それまで寝てていいからね。」
今になってすごい眠気がきていたので、マスターがそう言ってくれたのに甘えて少し眠る事にした。

起きた時にはもう10時を回っていた。
少し眠れたおかげで吐き気は治まってだいぶ楽になれた。
マスターが温かい紅茶とサンドイッチを持ってやってきた。
「具合は良くなったかな?食べれそうだったら少し食べてみて。
あと、賢人君に電話して今日は会社休むって伝えておいたから。」
「あっ、私、すっかり会社に連絡する事忘れてました。マスター、ありがとうございます。」
「いいから。さ、食べて。」

温かい紅茶で体が潤ってきた。そういえば昨日の夜から何も食べてなかった。
サンドイッチを一口食べると、空腹を思い出して一気に食べてしまった。
「…美味しいです。」
「良かった。まだ食べれるでしょ?今おかわり持ってくるからね。」
そう言ってマスターはカウンターの奥へ入って行った。何も聞いてこない事やマスターの気遣いや優しさに、また泣きそうになる。
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