超能力者も恋をする
するとマスターのお孫さんは、口を大きく開けて驚いた顔をした。
「やっぱり!お前、間宮すみれだろ!」
「へっ?」
「俺だよ、中学ん時同じクラスだった、片山亮太だよ!」
「え?」
驚き過ぎて固まってしまった。
「…本当に亮介君?」
「そうだよ!久しぶりだな。」
昔と変わって背がだいぶ伸びて髪型も違って分からなかった。でも目をよくみて見ると、確かにあの亮太君だった。
その目を見てすぐに中学の時の事が思い出された。
(…気持ち悪い…)
「りょ、亮太君っ。ごめんなさいっ。私、ずっと謝ろうと思ってて、ご、ごめんなさい。」
ソファから立ち上がって、亮太に向かって謝る。
「ちょっ、間宮、待て!」
いきなり謝り出した事に焦った亮太が、慌ててすみれを止める。
マスターが訝しげな目で2人を見ていた。
「ここじゃ、じいちゃんがいるからちょっと外に出られるか?」
小声で亮太が聞いてきて、すみれも話したいことがあったので頷いた。
マスターにお礼を言って2人は外に出た。近くに小さな公園があったのでそこには行き、ベンチに座って話した。