超能力者も恋をする
「ご、ごめんなさい。」
慌てて謝ったが、先輩は伏し目がちに呟いた。
「俺、何か嫌われる事した?したなら謝るから言ってくれよ。」
「違う、違うんです!」
このままだと誤解されてしまうのですみれは正直に言った。
「先輩、ごめんなさい。今朝、先輩と手が触れた時に無意識で記憶を読み取っていました。自分でもわからないけど、勝手に記憶が頭の中に流れて来たんです。
だから、また先輩に触れたら、また気温を読み取ってしまうかもしれないです。
だから私に近づかないで下さい。」
「俺の記憶を読んだのか?全然気がつかなかった…。」
「このまま一緒にいるとまた読んでしまうかもしれないので、やっぱり私達は一緒にいない方がいいんです。」
また、先輩に触れてしまったら記憶を読んでしまうかもしれない。それは二度としたく無い。嫌いなんじゃない、嫌われたくないから離れるんだ。