超能力者も恋をする

今日は残業も無く、終業時間を少し過ぎた所で仕事が片付いた。
「お疲れ様でしたー。」
荷物をまとめて会社を後にする。
以前の通りに戻っただけだが、1人で帰る帰り道にも慣れてきた。

改札を出ると、前に見た事がある顔があった。
「亮太君?」
声を掛けて振り返ったのはやっぱり亮太だった。

「間宮。今帰りか?今からじーちゃんちに行く所だったから一緒に行くか。」
今度は頼まれたお皿を持ってきたらしい。亮太の母親が雑貨店を営んでるそうで、良いカップ等あると、頼まれて持ってきているそうだ。

目的地が同じなんだから当然一緒に行く事になった。

「あれから嫌がらせはどうだ?まだあるのか?」
隣を歩く亮太が聞いてきた。

「プラムに移ってからは今の所無いよ。
マスターもすごく良くしてくれるし、亮太のおかげで落ち着いて過ごせてます。ありがとう。」
住む所を紹介してくれた亮太とマスターには感謝してもしきれない程助かっている。

「それは良かった。けど、一時的なものかもしれないから、まだ油断するなよ。」
「ありがとう。」
自分の事を心配してくれる人がいるって事はとても嬉しい事だった。すみれは笑顔で感謝を言うと、隣の亮太が少し赤くなった様子だった。
コホンと、咳払いをして亮太が話を続けた。
「じーちゃんのメールに今日はステーキにするって書いてたよ。渡して帰るつもりだったけど、俺も食べてく事にするよ。」
「わー!ステーキなんて豪華!皆で食べた方が美味しいから食べていこうね。」
そうこう話をしていると、あっという間にプラムに着いた。
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