超能力者も恋をする
「間宮!いつまで見てんだよ。またあいつと関われば嫌がらせされるぞ!」
まだ怒った口調で亮太がぴしゃりと言う。
「亮太君、なんでそんなに先輩に突っかかるの?!確かに言ってる事は最もだけど、言い方ってものがあるんじゃない?」
あまりの突っかかり様にカチンと来たので亮太に言い返した。すると、マスターも、「言い過ぎだぞ。」と静かな声で後ろから応戦してくれた。
「また嫌がらせされても知らないからな!」
2人に責められて、亮太は舌打ちして出て行った。
すみれは2人が出て行ったドアをため息をつきながら見つめた。
「すみれちゃん、ごめんな。亮太も良かれと思って言ったんだが、なんせ口が悪くてな…。」
「マスター、大丈夫ですよ。亮太君が私の事を思って言ってくれたのは分かってますよ。中学の時もそうでしたから。」
ただ、せっかく久しぶりに先輩とはなせたのに、すぐに帰ってしまったのが残念で仕方なかった。
(あぁ、やっぱり先輩と話したい、会いたい…。)
会えない、話せない分思いは募ってしまう。けれど今はどうにも出来ない。
出来ない思いは胸の中にそっとしまい込んだ。