超能力者も恋をする
声や物音が聞こえるのに周りが真っ暗で何も見えないのは非常に居心地が悪いし、そんな中に1人でいるのは酷く寂しい。
けれどすみれは1人でこの状況を耐えるしか無かった。なぜならすみれを助けてくれる人なんていないから。

(私は1人でいるしかないから…)

そう思ったらふっと闇が濃くなったような気がして言いようのない不安に襲われる。
このまま放っておけば手先、足先から黒い闇に体全体を囚われてしまいそうな感覚になり、心もとなくなって自分を守るように膝を抱えて丸くなった。
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