超能力者も恋をする
先輩がにっこり笑顔で話す事実にすみれの顔は真っ青になって行く。

(そんなっ、私ずっと寝てたなんて!きっと超能力を使い過ぎたからだ。)

すみれの念力も使い過ぎると体はエネルギーを消費する。小さな軽い物だとたいした事は無いが、大きな物を動かそうとすれば、それ相当の力を消費する事になる。
そして今までの経験で分かっているのは、だいたい自分の体重と同じ位の物までしかすみれは動かせないらしい。
今回は自分の体を咄嗟に浮かせたりしたので、かなり限界に近いエネルギーを消費したから、それを補う為にずっと眠っていたのだと思う。

「す、すみません!ご迷惑をおかけしました。」

自分の仕出かした事に恥ずかしくなって頭を下げて謝る。

「いいから、謝らないで!それより朝ご飯出来てるからまずは食べよう。」

先輩が微笑んで言うから、キュンっと胸がドキドキしてしまった。
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