超能力者も恋をする
すみれは早く終われ、早く終われと膝を抱える手に一層力を入れて握った。


その時、何か叫んでる声が聞こえた気がした。

ハッとして顔を上げて周りを見るが暗闇の中には何も見えない。
目を閉じて耳を済ませてみると、

「…れ!…すみれ!」

それは自分を呼ぶ声だった。
すみれは驚いて、膝から手を離して声の方に体を向けた。
声の方向をみるとぼんやりと白く光が放たれている。その光が段々と大きくなると共に声もはっきりと聞こえてきた。
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