超能力者も恋をする

確かに、実家はここから離れた田舎だし、友達も数ヶ月ともなると頼るのも躊躇われる。簡単に数ヶ月泊めてくれる当てはなさそうだ。

すみれの心がぐらぐらと揺れる。
先輩は楽しそうににっこりと微笑んでいる。

「こんな美味しい話し逃す手無いぞ。
よし、決まりだな!
今日からよろしくな、間宮っ!」
「えっ!?もう決まりなんですか!?」

「決まり!そうと決まれば間宮のアパートに行って持って来れそうな荷物を持ってくるか。
さ、行くぞー。」

そう言って、先輩は早速出掛ける準備をしてさっさっと玄関に行ってしまった。

「えっ?!先輩っ、ちょっと待って下さいー!」
慌ててすみれも追いかけて行く。

こうして、半ば強引に加藤先輩との同居生活が始まったのだった。
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