超能力者も恋をする
あとから聞いた話だと、先輩は元々弟さんとこの部屋で一緒に暮らしていたが、この春に就職した為に弟さんが出ていき、部屋が一部屋余っていたそうだ。
確かに言われてみれば、先輩の家は3LDKで一人暮らしの割には広めの部屋だった。

それに、今日の美味しい朝食も全て先輩が作った物だ。先輩は料理がめちゃくちゃ得意で、何でも作れてすみれの胃袋はもうがっちりと先輩に掴まれていた。
という事なので、料理は加藤先輩が担当して、洗い物や片付けはすみれが担当して、家事を分担していてそれで上手く回っていた。

時間が迫ってる事に気づいてすみれも急いで食器を洗う。
一応、一緒に住んでいる事は秘密にしてあるので、朝の出勤は時間差をつけている。
最後に右手を一振りして、布巾が飛んでテーブルを勝手に拭いて行く。

「これでよし。」
すみれも急いで会社へと向かった。
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