超能力者も恋をする

TVには、ドラマが入っていた。すみれは見入っていたが、途中から先輩の声が聞こえなくなって、しばらくすると隣から寝息が聞こえてきた。
ドラマも終盤に差し掛かった頃、すみれの肩に重さが掛かって来た。
見てみると、先輩の頭がすみれの肩に乗っていた。

(わわわわわっ!どうしようっ!)

驚いて見るが先輩はぐっすり眠っていて起きそうにもない。起こすのも可哀想なので暫くこのままにする事にした。先輩の頭はちょっぴり重たかったが、すーすーっと静かな寝息や肩にかかる先輩の温かな体温は心地良かった。

「すー…すー…」

規則正しい寝息が続く。先輩の寝息はすみれの眠気も誘って来た。瞼が重くなってくる。
『ピッ。』
最後に指を指してTVと電気を消して、すみれも瞼を閉じた。
今は、このまま身を任せていたい…。
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