超能力者も恋をする
すみれは化粧をしていたが、その頭の上にはドライヤーが浮かんでいて、髪には櫛が通っている。
そしてドライヤーと櫛が自由に動いてブローをしていた。
「今日は時間がないので、致し方無くや
ってます。やっぱり自分の手でやる程上手くは出来ないんですけどね。」
「へぇー、便利な物だな〜。」
「先輩もやりますか?」
すみれは先輩が手にしていた電気シェーバーを指で指して動かした。
ジリリリと動きだしたシェーバーは加藤先輩の頬にゆっくり向かって優しく髭剃りを始めた。
「おぉ〜!!これはいい!!癖になっちゃいそう(笑)」
加藤先輩は大層気に入った様子だった。
そして、すみれはもう一振り手を降ると、加藤先輩の首にかかっていたネクタイがシュルシュルと独りでに巻かれていった。
「おぉ〜!!!間宮すげぇー!さんきゅっ。」
「どういたしまして。」
子供のように感動してくれる加藤先輩はなんだかとっても可愛らしかった。
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