超能力者も恋をする
先輩がすみれの方を見てニコッと笑いかけた。
すみれもニコッと笑い返した。

その後、お礼としてマスターがチョコレートケーキをご馳走してくれた。
ケーキを持ってきたマスターの手首にはしっかりと腕時計がいつも通りに巻かれていて、マスターの笑顔も明るかった。

お腹も心もいっぱいになりながら帰り道を加藤先輩と並んで歩く。時刻はもう夕方で赤い夕陽が沈もうとしていた。

「マスターの時計見つかって良かったな。間宮の超能力はすごいな！」
すみれの方を見て先輩がニコッと微笑んだ。
ドキッと胸が高鳴って、顔が熱くなる。
どうもやっぱり最近先輩に対してドキドキしてしまう。

(…なんでだろう？)

道幅が狭くなって、先輩との距離が近くなる。手が少し触れてしまって、今度は触れた手が熱くなった。
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