超能力者も恋をする

いつもより近い距離になって、すみれは今まで気になっていた事を思い切って聞いてみようと口を開いた。

「…先輩はどうして、私の超能力が気持ち悪くないんですか？」

すみれは、先輩が自分の能力をどう思っているのかずっと気になっていた。
先輩に超能力を見られてカミングアウトした時には、気持ち悪くないとか、かっこいいと言われたが、すみれにはどうしてもそれが不思議だった。

「えー？だって物浮かせたりかっこいいしゃんか。」
「で、でも、普通は動かない物を動かせるんですよ。何でそうなるのかわからない力が働いてるんですよ。それがどうして気持ち悪くないのか、私には不思議でしょうがないです。」

先輩が立ち止まってすみれに向き合った。いつになく真面目な顔をしていてすみれも緊張してしまう。