超能力者も恋をする
暫くの沈黙の後、先輩がいきなりすみれの両肩をガッと掴んできて言った。

「間宮、力を貸してくれないか？！」
「は、はい！喜んで？」
あまりの先輩の剣幕に咄嗟に返事を返した。
「いきなりで、すまない。でもきっと間宮の力がが必要だと思うから。
間宮、妹を探すの手伝ってくれないか？！」
「妹さんを探す？」
「実は、母親から連絡あったんだが、一週間前から妹が行方が分からなくて、アパートにもいない、電話も出ないし、LINEも既読にならないしで全然連絡も取れない状態なんだ。
妹は彼氏と同棲してて、その彼とケンカして出てったみたいで。今までもケンカすると、プチ家出する事はあったんだけど今回みたいに一週間も連絡つかない事は無かったから、母親も心配しちゃってて…。」
「それは心配ですね。」
一週間も音信不通とはただ事では無いのでそれは心配にもなるだろう。

「そこでだ！間宮に力を貸して欲しいんだけど、間宮はサイコメトリーとかって出来るの？物に触ったらその物の残留意思を読み取ったりするやつ。」
「サ、サイコメトリー？！」

思ってもいなかった言葉を急に言われて心臓がドクッと思いっきり動揺する。

「妹の物何でもいいから触って、そこから読み取って何か手がかりを得られないか？と思ったんだけど、間宮？どう？」

先輩は何の気無しに聞いてきたが、すみれの心臓はビクっと一気に跳ね上がった。
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