赦せないあいつと大人の恋をして
熱い肌
「俺には綾だけだって言ってるだろう。信じられない?」

「信じてる……」
 信じてるから絶対許せない出来事も許せた。

 でも私の知らない過去だってあってもおかしくない。遊び人と言われる前には素敵な恋の思い出だってあるのかもしれないから。

「どんなに綺麗な女優さんに誘惑されても大丈夫だよ。綾、お前が世界中で誰よりも一番綺麗だ。気持ちも体も……。気付いてないだろう。自分がどれほど魅力的な女か……」

「魅力なんてないよ。私、もてなかったし……。中学の頃なんて女友達に『棒』って言われてたんだから。無駄に背が高いだけで痩せてて、ブラだって高校二年まで必要なかったし」

「その頃の綾に会いたかったな。きっと信じられないくらい清純で可愛かっただろうな」

「そんなことないよ……」

「今は細いけど、ちゃんと柔らかい綺麗な胸をしてる。Dくらいかな?」

「えっ? どうして分かるの?」

「綾のことなら何でも分かるんだ。この綺麗な胸を知ってるのは世界中で俺だけだろう」

 抱き上げられてベッドに沈められる。お互いの熱く火照った体で悦びを与え合い奪い合った。
「龍哉……」
「綾……」
 熱い体は密着したまま動かなくなった。

 呼吸は乱れたまま飛んでいた意識が少しずつ戻って来る。龍哉に抱き寄せられた。

「綺麗だったよ。綾……。俺だけの綾……」

「龍哉も私だけの龍哉よね……」

「もちろんだ。もう綾以外抱けないよ。こんなに気持ち良かったのは初めてだ」

「龍哉、ずるい……」

「どうして?」

「だって……。私は比べることは出来ないもの」

「綾は俺だけで良いだろう? きょうの綾と明日の綾を比べられるよ。きっともっと良くなるから。俺が頑張るから」

「ばか……」
 龍哉の胸に甘えながら囁いた。
 
 やっと女として蕩けるような官能の世界を体で感じた。龍哉に愛されて教えられた大人の愛を……。
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