赦せないあいつと大人の恋をして
ふたり
綺麗だ、可愛い、愛してる、素敵だ……。言われ続けると女の子は暗示に掛かって本当に綺麗になっていく。綾のように元々綺麗だったのなら尚更……。まして龍哉に本気で愛されていると信じられたら美しくなるのは当然の事。
そんな綾が龍哉には、ますます愛しくて堪らなくなる。普段は綺麗で上品な綾がベッドの中で龍哉だけに見せる女の表情は……。他に譬えようがないほど美しく艶やかだった。
「龍哉……」
綾が龍哉の腕の中で甘えるように呼ぶ声すら美しい。
「綾……」
もう何度抱いたのだろう……。可愛い声、そそる表情、敏感な反応を見せる綾に龍哉は心底溺れている。
明日は帰らなければならない。長時間のドライブが待っている。
それでも龍哉の熱烈な愛情表現は止められなかった。ほとんど明け方近くまで綾を抱き続けた。
目覚めたのは遅めの朝。綾は疲れているのだろう、まだ龍哉の腕の中で眠っていた。安心して腕の中で眠る顔さえ愛しい。愛し過ぎて堪らない。ここまで綾に惚れているんだと龍哉は苦笑していた。
結婚したら何でも綾の言う通りになってしまうのだろう。龍哉はそれでいいのだろうと思っていた。
綾が傍に居てくれる。生涯ずっと俺の傍に……。それ以外の望みなど大した事ではないとさえ思っていた。
決して手に入れる事など望めなかった綾がここに居る。俺の腕の中で誰にも見せない女の顔を見せる。それだけで満足だった。最高に幸せだと思っていた。
「う~ん……。龍哉……」
「目が覚めた?」
「まだ眠いの……」
「ごめん。俺のせいだね」
「龍哉、無茶し過ぎ……」
「綾が魅力的だから抱かない選択肢はないの」
「私のせいなの……?」
「綾に夢中にならない男はいないよ」
「龍哉だけよ……」
「当たり前だ。綾は俺だけの綾だ」
おはようの優しいキスでやっと目覚めたようだった。
「さぁ、シャワーを浴びて朝食にするよ」
*
簡単にシャワーを浴びて薄化粧。元々普段からメイクは濃い方ではない。薄手の膝丈のニットワンピースに着替えていたらドアチャイム。
「はい」龍哉が出て行く。
リビングルームとベッドルームは別れていて見られる心配もない。
「おはようございます」
制服に身を包んだボーイが入って来る。ワゴンには温かい食事が美味しそうな匂いと共に運ばれて来た。
「ごゆっくり。では失礼致します」ボーイは出て行った。
「美味そうだ」
「朝食はルームサービスなの?」
「そうだよ。二人だけでゆっくり出来るだろう。この時間で予約してあった」
「知らなかった」
「ラウンジのバイキングなんかに行ったらジロジロ見られるだろう」
「誰に?」
「他の男たちにだよ」
「別に見られても平気だけど」
「俺が嫌なんだ。どんなふうに想像されるか予想出来るから」
「どんなふうって?」
「あぁ、あんな良い女を一晩中抱いてたんだろうなとか」
「いやらしい……」
「男ってそういう生き物なんだよ」
「龍哉もそう思うの? 他の女性を見ると」
「良い女なら想像しなくもないけど……。綾より良い女は他にいないから、たぶんしないな。さぁ、食べよう。本当に美味そうだよ」
「うん」
温かい和食を窓からの景色を眺めながらいただいた。
「美味かった」
「うん。美味しかった」
「チェックアウトは十二時なんだけど、どうする? もう少しここでゆっくりする? それともどこか寄りたい所がある?」
「そうね。少し街を歩きたい」
「そうだな。せっかくの京都だもんな」
暖かい陽射しに包まれた春の京都の風景を心に焼き付けた。きっと忘れない。龍哉の愛に包まれた時間も忘れる事はないだろう。女に生まれて来た事を心から幸せだと感じていた。
お母様の前でプロポーズされた事も……。これから龍哉と一緒に生きていくんだと改めて心に決めていた。
そんな綾が龍哉には、ますます愛しくて堪らなくなる。普段は綺麗で上品な綾がベッドの中で龍哉だけに見せる女の表情は……。他に譬えようがないほど美しく艶やかだった。
「龍哉……」
綾が龍哉の腕の中で甘えるように呼ぶ声すら美しい。
「綾……」
もう何度抱いたのだろう……。可愛い声、そそる表情、敏感な反応を見せる綾に龍哉は心底溺れている。
明日は帰らなければならない。長時間のドライブが待っている。
それでも龍哉の熱烈な愛情表現は止められなかった。ほとんど明け方近くまで綾を抱き続けた。
目覚めたのは遅めの朝。綾は疲れているのだろう、まだ龍哉の腕の中で眠っていた。安心して腕の中で眠る顔さえ愛しい。愛し過ぎて堪らない。ここまで綾に惚れているんだと龍哉は苦笑していた。
結婚したら何でも綾の言う通りになってしまうのだろう。龍哉はそれでいいのだろうと思っていた。
綾が傍に居てくれる。生涯ずっと俺の傍に……。それ以外の望みなど大した事ではないとさえ思っていた。
決して手に入れる事など望めなかった綾がここに居る。俺の腕の中で誰にも見せない女の顔を見せる。それだけで満足だった。最高に幸せだと思っていた。
「う~ん……。龍哉……」
「目が覚めた?」
「まだ眠いの……」
「ごめん。俺のせいだね」
「龍哉、無茶し過ぎ……」
「綾が魅力的だから抱かない選択肢はないの」
「私のせいなの……?」
「綾に夢中にならない男はいないよ」
「龍哉だけよ……」
「当たり前だ。綾は俺だけの綾だ」
おはようの優しいキスでやっと目覚めたようだった。
「さぁ、シャワーを浴びて朝食にするよ」
*
簡単にシャワーを浴びて薄化粧。元々普段からメイクは濃い方ではない。薄手の膝丈のニットワンピースに着替えていたらドアチャイム。
「はい」龍哉が出て行く。
リビングルームとベッドルームは別れていて見られる心配もない。
「おはようございます」
制服に身を包んだボーイが入って来る。ワゴンには温かい食事が美味しそうな匂いと共に運ばれて来た。
「ごゆっくり。では失礼致します」ボーイは出て行った。
「美味そうだ」
「朝食はルームサービスなの?」
「そうだよ。二人だけでゆっくり出来るだろう。この時間で予約してあった」
「知らなかった」
「ラウンジのバイキングなんかに行ったらジロジロ見られるだろう」
「誰に?」
「他の男たちにだよ」
「別に見られても平気だけど」
「俺が嫌なんだ。どんなふうに想像されるか予想出来るから」
「どんなふうって?」
「あぁ、あんな良い女を一晩中抱いてたんだろうなとか」
「いやらしい……」
「男ってそういう生き物なんだよ」
「龍哉もそう思うの? 他の女性を見ると」
「良い女なら想像しなくもないけど……。綾より良い女は他にいないから、たぶんしないな。さぁ、食べよう。本当に美味そうだよ」
「うん」
温かい和食を窓からの景色を眺めながらいただいた。
「美味かった」
「うん。美味しかった」
「チェックアウトは十二時なんだけど、どうする? もう少しここでゆっくりする? それともどこか寄りたい所がある?」
「そうね。少し街を歩きたい」
「そうだな。せっかくの京都だもんな」
暖かい陽射しに包まれた春の京都の風景を心に焼き付けた。きっと忘れない。龍哉の愛に包まれた時間も忘れる事はないだろう。女に生まれて来た事を心から幸せだと感じていた。
お母様の前でプロポーズされた事も……。これから龍哉と一緒に生きていくんだと改めて心に決めていた。