赦せないあいつと大人の恋をして
友達として
このまま生涯のパートナーになれるのかどうかも分からない。でも人も羨む素敵な二人になれる可能性だって、きっとある。今はそう信じたい。こんな二人が普通に幸せになれることを……。
あいつは私を抱きしめていた腕を解いて、指先で頬の涙を拭ってくれた。私を見詰めるその目が潤んでいるのを初めて見た。
「自分だって泣いてるくせに……」
「うるせえよ。嬉し涙だ」
認めるんだ……。私が笑ったら、あいつは私のオデコに、そっとキスした。
「もう遅いよ。明日は仕事だろう。マンションまで送るから」
「うん」
翌日……。仕事を終えてから私は隼人さんに連絡を入れて待ち合わせた。謝らなければいけない。どんな思いをしても……。
テーブルにはダージリンティーが二つ。
「昨日は、ごめんなさい。急に帰ったりして……」
「いや。何か大切な用があったんでしょう」
隼人さんは、いつものように優しい。
「本当に、ごめんなさい。私、隼人さんとこれ以上、お付き合い出来ません」
「綾さん、僕はいつまでも待つと言ったはずだよ」
「待たないでください。私なんか待たないで……。隼人さんには、もっと素敵な人が、きっと居ます」
「好きな人が居るんですか?」
「好きじゃなかったんです。大嫌いで顔を見るのも嫌な奴だったんです……」
隼人さんは、ふっと優しい笑顔を見せて
「羨ましいな、その男が。大嫌いだなんて綾さんの口から初めて聞きました。そんなに気になる奴だったんですか?」
「いいえ。ただ許せない嫌な奴だっただけです」
「でも、今は好きなんだ」
「ごめんなさい……」
「謝る事ないですよ。じゃあ、今から僕と綾さんは、お兄さんを通して知り合った友達。そういう事にしましょう。これからも会うことだってあると思います。その時は今まで通り普通に話したいですからね」
隼人さんは、やっぱり素敵な人だった。
もしかしたら……。いつか隼人さんを選ばなかった事を後悔する日が来るのかもしれない。それくらい彼という人間の器の大きさに感謝している。心から尊敬出来る人なんだと思った。私なんかよりも隼人さんに相応しい素晴らしい人と幸せになって欲しいと願っている。
あいつは私を抱きしめていた腕を解いて、指先で頬の涙を拭ってくれた。私を見詰めるその目が潤んでいるのを初めて見た。
「自分だって泣いてるくせに……」
「うるせえよ。嬉し涙だ」
認めるんだ……。私が笑ったら、あいつは私のオデコに、そっとキスした。
「もう遅いよ。明日は仕事だろう。マンションまで送るから」
「うん」
翌日……。仕事を終えてから私は隼人さんに連絡を入れて待ち合わせた。謝らなければいけない。どんな思いをしても……。
テーブルにはダージリンティーが二つ。
「昨日は、ごめんなさい。急に帰ったりして……」
「いや。何か大切な用があったんでしょう」
隼人さんは、いつものように優しい。
「本当に、ごめんなさい。私、隼人さんとこれ以上、お付き合い出来ません」
「綾さん、僕はいつまでも待つと言ったはずだよ」
「待たないでください。私なんか待たないで……。隼人さんには、もっと素敵な人が、きっと居ます」
「好きな人が居るんですか?」
「好きじゃなかったんです。大嫌いで顔を見るのも嫌な奴だったんです……」
隼人さんは、ふっと優しい笑顔を見せて
「羨ましいな、その男が。大嫌いだなんて綾さんの口から初めて聞きました。そんなに気になる奴だったんですか?」
「いいえ。ただ許せない嫌な奴だっただけです」
「でも、今は好きなんだ」
「ごめんなさい……」
「謝る事ないですよ。じゃあ、今から僕と綾さんは、お兄さんを通して知り合った友達。そういう事にしましょう。これからも会うことだってあると思います。その時は今まで通り普通に話したいですからね」
隼人さんは、やっぱり素敵な人だった。
もしかしたら……。いつか隼人さんを選ばなかった事を後悔する日が来るのかもしれない。それくらい彼という人間の器の大きさに感謝している。心から尊敬出来る人なんだと思った。私なんかよりも隼人さんに相応しい素晴らしい人と幸せになって欲しいと願っている。