赦せないあいつと大人の恋をして
龍哉の決意
「美味しかった」
フォークをそっと皿に置いて綾は笑顔で、ごちそうさまのポーズをした。綾の何気ない仕草や笑顔を見ているだけで心の底から癒される。
この笑顔を見られなくなってもいいのか? 自分に聞いてみる。
答えは『ノー』だ……。
綾に会えなくなっても後悔しないのか?
やはり答えは『ノー』だ。
誰よりも幸せになって欲しい。なれるはずだ。綾なら……。俺が居なくても……。いや俺が居ない方が、きっと幸せになれるんだろう。
「じゃあ、行こうか?」
支払いを済ませ店を出て車に乗った。
「ねぇ、この後、何か予定してくれてる?」
「いや、少しドライブして美味しい夕食をご馳走しようと思ってた」
「龍哉、疲れてるでしょう? 顔色良くないよ」
「そんな事ないよ。近場のドライブくらい、どうって事ない」
「龍哉のマンションに行ったらいけない? マンションでゆっくりしよう。私が何か夕食を作るから」
「キッチン狭いし、道具も揃ってないから無理だよ」
「お鍋もないの?」
「ラーメン作るくらいの鍋ならあるけど」
「小さなお鍋?」
「二人前作るから少し大きめ」
「じゃあ、スーパーで食材を買って、お鍋しよう」
綾の笑顔が眩しかった。眩し過ぎた……。
「あぁ、でも炊飯器ないからご飯は炊けないよ」
「ん~。じゃあ、主食はお寿司か何かを買って。ねぇ、そうしよう。明日からも仕事、忙しいんでしょう? 龍哉がこれ以上疲れないように」
綾は俺の体を気遣ってくれている。俺が思っていた以上に優しい心遣いの出来る最高の秘書だ。
「分かったよ」
綾の手料理。最初で最後の……。
マンションの近くのスーパーに寄って俺がカートを押す。人から見れば新婚夫婦にでも見えるのだろうか?
「龍哉、嫌いな物ある?」
綺麗に並べられた食材を眺めながら綾が聞いた。
「う~ん、春菊は駄目だな」
「良かった。私も春菊は苦手なの」
笑った顔が可愛くて、本当に今すぐにでも抱きしめたいほど可愛くて……。このまま綾を手放すなんて出来ないかもしれないと俺は思っていた。
フォークをそっと皿に置いて綾は笑顔で、ごちそうさまのポーズをした。綾の何気ない仕草や笑顔を見ているだけで心の底から癒される。
この笑顔を見られなくなってもいいのか? 自分に聞いてみる。
答えは『ノー』だ……。
綾に会えなくなっても後悔しないのか?
やはり答えは『ノー』だ。
誰よりも幸せになって欲しい。なれるはずだ。綾なら……。俺が居なくても……。いや俺が居ない方が、きっと幸せになれるんだろう。
「じゃあ、行こうか?」
支払いを済ませ店を出て車に乗った。
「ねぇ、この後、何か予定してくれてる?」
「いや、少しドライブして美味しい夕食をご馳走しようと思ってた」
「龍哉、疲れてるでしょう? 顔色良くないよ」
「そんな事ないよ。近場のドライブくらい、どうって事ない」
「龍哉のマンションに行ったらいけない? マンションでゆっくりしよう。私が何か夕食を作るから」
「キッチン狭いし、道具も揃ってないから無理だよ」
「お鍋もないの?」
「ラーメン作るくらいの鍋ならあるけど」
「小さなお鍋?」
「二人前作るから少し大きめ」
「じゃあ、スーパーで食材を買って、お鍋しよう」
綾の笑顔が眩しかった。眩し過ぎた……。
「あぁ、でも炊飯器ないからご飯は炊けないよ」
「ん~。じゃあ、主食はお寿司か何かを買って。ねぇ、そうしよう。明日からも仕事、忙しいんでしょう? 龍哉がこれ以上疲れないように」
綾は俺の体を気遣ってくれている。俺が思っていた以上に優しい心遣いの出来る最高の秘書だ。
「分かったよ」
綾の手料理。最初で最後の……。
マンションの近くのスーパーに寄って俺がカートを押す。人から見れば新婚夫婦にでも見えるのだろうか?
「龍哉、嫌いな物ある?」
綺麗に並べられた食材を眺めながら綾が聞いた。
「う~ん、春菊は駄目だな」
「良かった。私も春菊は苦手なの」
笑った顔が可愛くて、本当に今すぐにでも抱きしめたいほど可愛くて……。このまま綾を手放すなんて出来ないかもしれないと俺は思っていた。