妖しく溺れ、愛を乞え
サラダが出て来る。それをかじり、ビールで流し込む。
「元気そうで良かった」
美味しい匂いと、アルコール。ミミさんのお店。あの日と同じだけれど、全然違う。あの日から人生が変わってしまった。
「少し、痩せたんじゃない?」
「そうかも。色々あったから……」
色々ありすぎるくらい。気持ちも体も付いていかないもの。
「ああ美味しい。幸せ。ミミさんのところに来たくて仕方が無かったんだよね」
「そっか。ゆっくりしていって」
「あんまり遅くなれないんだけど……あ、チーズサンド持って帰りたいんだけど。ふたつに切って欲しいです」
「ハイ了解。誰かにお土産?」
「うん」
言ってしまってから、ハッとする。
「あらら。良いわねぇ」
ミミさんの誘導尋問に引っかかったことに気付く。あたし、頭悪いな……アルコールのせいか、ここに来てリラックスし過ぎている。
「雅ちゃん、割とインターバル短いね。今度一緒においでよ」
「う……」
「ビール派かしら。なに飲むのかな。一緒に住んでる?」
姉御肌ミミさんは、ニヤニヤしながらこちらを見ている。そこで「すみませーん。マカロニチーズひとつ」とオーダーが入った。
「誰も知らないのに。必死に隠しているのに。ミミさんに即バレした」
ビールのおかわりを貰う。
「なに、秘密の関係? 男だよね。不倫はだめだよ。不倫は」
フライパンを振りながら、ミミさんが言った。チーズの香ばしい匂いが漂い出した
「まさか……不倫じゃないです。一緒に住んでは居ますが、あたしが転がり込んだって言うか」
完全にアルコールのせい。口が軽いつもりは無いけれど、ミミさんなら話せる。
「元気そうで良かった」
美味しい匂いと、アルコール。ミミさんのお店。あの日と同じだけれど、全然違う。あの日から人生が変わってしまった。
「少し、痩せたんじゃない?」
「そうかも。色々あったから……」
色々ありすぎるくらい。気持ちも体も付いていかないもの。
「ああ美味しい。幸せ。ミミさんのところに来たくて仕方が無かったんだよね」
「そっか。ゆっくりしていって」
「あんまり遅くなれないんだけど……あ、チーズサンド持って帰りたいんだけど。ふたつに切って欲しいです」
「ハイ了解。誰かにお土産?」
「うん」
言ってしまってから、ハッとする。
「あらら。良いわねぇ」
ミミさんの誘導尋問に引っかかったことに気付く。あたし、頭悪いな……アルコールのせいか、ここに来てリラックスし過ぎている。
「雅ちゃん、割とインターバル短いね。今度一緒においでよ」
「う……」
「ビール派かしら。なに飲むのかな。一緒に住んでる?」
姉御肌ミミさんは、ニヤニヤしながらこちらを見ている。そこで「すみませーん。マカロニチーズひとつ」とオーダーが入った。
「誰も知らないのに。必死に隠しているのに。ミミさんに即バレした」
ビールのおかわりを貰う。
「なに、秘密の関係? 男だよね。不倫はだめだよ。不倫は」
フライパンを振りながら、ミミさんが言った。チーズの香ばしい匂いが漂い出した
「まさか……不倫じゃないです。一緒に住んでは居ますが、あたしが転がり込んだって言うか」
完全にアルコールのせい。口が軽いつもりは無いけれど、ミミさんなら話せる。