メシトモ!
「うん、そうして」

「随分、素直ね」

「だって、姉ちゃんがものをちゃんと保存できるわけないし。そのうちどっかに消えちゃうだろうから」

「うわ、なにそれ。いいよ。涼太が将来結婚するときに、相手のお嫁さんに写真を見せてやるから」

「どうぞ。そのときまでに写真が姉ちゃんの手元にあったらいいな」

 勝ち誇った顔をした涼太は「課題の続きしよう」と言って、自分の部屋へ入った。

 よかった。写真、上手く誤魔化せたよ。

 佐々木さんのあの写真を見てから体調が悪い。体が駄目になっている所為で気分も若干落ち込み気味だ。

 せっかくの休みだというのに、これといってやりたことがない。趣味もない。予定もない。ないない尽くしで暇だ。

 ソファに横になり、昼寝でもしようと思って目をつぶった。

 最近、佐々木さんに会ってないな。居酒屋びーだまで飲んで以来、会ってないんだよね。お互いの予定が合わなくて、お誘いを断ってばかりだ。涼太も会えないぐらいだから、佐々木さんもかなり忙しいのだろう。
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