メシトモ!
「そうだね。お互い、予定が合わなかったから。じゃあ、行こうか」

 佐々木さんがお好み焼きを食べたいという希望で、涼太に教えてもらったお好み焼き屋に向かった。

「あ、ここだ」

 扉を開けるだけで、中からお好み焼きのいい匂いが広がった。

「僕、久しぶりだな。お好み焼き食べるの」

 佐々木さんは嬉しそうに、鉄板の前に座った。

「どれも美味しそうだ」

 あまりお好み焼屋に行かない私は、佐々木さんにメニュー選びをお任せした。

 佐々木さんが頼んだのは普通のお好み焼きとカレーのお好み焼きだった。

「佐々木さん、これ涼太から預かってきた」

「ああ、この本」

「長い間、借りたままも悪いから、返しておいてほしいって頼まれて」

「そう。別にいつでもよかったのに。あ、この間っていうか、もう数ヶ月前になるけど、貸してくれてDVD観たよ。すぐごく面白かった。あらすじは聞いていたけど、話がどんどんと転がって行くから、目が離せなかったよ」
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