メシトモ!
「ほら杉山さん、どんどん食べないと。杉山さんは細身なんだから、それ以上痩せたら夏は乗り切れないよ」

「うん、ありがとう、心配してくれて。ただの夏バテだから。今日のお好み焼きはすごく美味しい」

「なら、いっぱい食べてよ。カレーの方も美味しく作るからさ」

「うん、いっぱい食べるよ」

 佐々木さんは言った通り、カレーのお好み焼きもおいしく作ってくれた。

 お好み焼きはそんなに量が多くなさそうに見えて、意外とお腹一杯になる。サイドで頼んだサラダを食べたら、もうなにも食べられないと思った。

「もうお腹いっぱい」

「僕も」

 佐々木さんは珍しくウーロン茶を頼んでいた。

「今日はアルコール、飲まないんですね」

「ああ、家に帰ってからも仕事があるからね」

「相変わらず、忙しいんですね。あっ」

 空調の風に煽られて伝票が床に落ちた。それを拾うため、イスに座ったまま体を屈めて手を伸ばした。
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