メシトモ!
「へえ、リメイクとかもするんだ」

「うん。詳しいことはアトリエに来てくれたときに話すよ。物があった方が説明しやすいから」

「うん」

 佐々木さんの仕事場に行けるんだ。ちょっと嬉しいかも。いろいろ話はしているけど、お互いのプライベートなエリアに入ったことがない。

 友だちの距離を少しずつ縮めていけたらいいな。

「え……」

「どうしたの?」

「あ、なんでもない」

 私は今距離を縮めたいと思った。佐々木さんとの距離を縮めてどうなりたんだ。友だちの先にあるものは……友だち。そうよ、友だち、親友。そうだよ。

 隣に歩く佐々木さんの手の甲が、手に一瞬触れてドキッとした。

 いつもとは違うスイッチが入っている気がした。そんな小さな変化に気が付かれないよう願いながら、佐々木さんと帰った。

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