メシトモ!
 手を繋いだまま、改札を抜け電車に乗り、お互いの家から一番近い居酒屋びーだまに向かった。

 店内に入り、なるべく奥の方の席に座る。、

「なに食べる?」と言って、佐々木さんにメニューを向けた。

「杉山さんに任せる」

「うん、お酒はどうする?」

「ビール。いや熱燗」

「わかった」

 佐々木さんが初めから日本酒を頼むことはない。聞きたいこともあるけれど、注文をする方が先だと思った。

 私たちがいつも食べているものを頼み、メニューを元の場所に戻した。

 遠慮がちに声を掛けてみる。

「佐々木さん」

「うん」

「ほっけがね、急に食べたくなっちゃって頼んでみた。日本酒ともビールとも相性いいよね」

「そう、だね」
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