メシトモ!
 いつものように話しかけても、佐々木さんの反応は薄かった。

「お待たせしました。熱燗と生ビール。ほっけと肉じゃがです」

 テーブルの上に置かれた熱燗を私が手に取ると、佐々木さんの右手がゆっくりとぐい飲みを持った。そこへ溢さないように日本酒を注いだ。

 佐々木さんはぐい飲みを少し眺めてから、一気に飲み干した。

「もう一杯?」と聞けば、ぐい飲みが私の前に差し出される。

 さっきと同じように注げば、また一気に飲み干した。

「佐々木さん、そんなにお酒ばかりだと体に悪いよ。ほら、ほっけも食べて」

 お箸を渡し、佐々木さんの前に小鉢を置いた。

「ありがとう」

「うん」

「あのさ、今日酔いたい」

「いいよ。私が最後まで面倒みてあげる」

「うん」

「冷静なうちに家の住所だけ教えて」
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