メシトモ!
「うん、知り合いの伝手を使ったんだ」

「そうなんだ。ありがとう」

「もう少し話していたいけど、明日早いんだよね。もう切るね、お休み」

「はい、お休みなさい」

 電話を切った瞬間、私はまた謎の声を発した。

「ぬわあーおー。もう少し話していたいけど、ええー、私どうすればいいんですか!」

 声を上げたことで落ち着いた。佐々木さんはわかってない。こいうことで一喜一憂してしまう私の気持ちを。

 まったく、優しさと甘さは違うんだよ。友だちには優しさまでだよ、使っていいのは。

 私が雑誌を見ていたとき「ここのパスタ専門店行ってみたいな」と独り言のように言った。佐々木さんはそれを覚えていてくれたのだ。

 そのパスタ専門店は人気店で結構混むらしく、予約をするのが確実らしい。ただ、その予約もなかなか取れない。

 私は絶対に行きたいってほどでもないし、気長に待って予約が取れればいいなと思っていた。

 けれど佐々木さんは頑張って予約を取ってくれた。
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