メシトモ!
 もともと掃除が苦手だったのに、ますますしなくなった。ご飯もコンビニでおにぎりを買って済ますような状況だ。

 私がおかしいと逸早く気がついたのが涼太だった。突然、私のアパートに押しかけて、勝手に掃除洗濯をして、冷蔵庫に作り置きのお惣菜を入れて帰る。それを一日置きでやっている。知らぬ間に、うちのスペアキーまでちゃっかり持っている。

 涼太はなにも聞かないし、なにも言わない。ただ、帰るときに「飯は食べろよ」と必ず言っていた。

 これだけのことで、こんなにふうになってしまった自分が情けなかった。

「しっかりなくちゃ」

 久しぶりの恋は私には荷が重すぎたらしい。

「また、保留にしよう」

 そう思ったら、ぐっと軽くなって、本調子とまではいかないけれど、少し落ち着くことができた。

 あと数日で十二月になる。それでも佐々木さんからの連絡は全く来なかった。最近は来ないことになれていた。

 十二月と一月は目眩が起きそうなくらい忙しい。まずはクリスマスがある。そして大晦日と元旦。どうして大きなイベントはこんなにまとまって存在するんだろう。
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