メシトモ!
 私は佐々木さんの後に続いてレジへ向かい、それぞれの会計を済ませた。時計を見ると、二十時を過ぎていた。二時間くらい居酒屋に居たらしい。

「僕は駅に行くけど、杉山さんは?」

 このまま歩きでアパートに戻ろうかと思った。でも、急に冷蔵庫の中が浮かんだ。明日の朝ごはんがないかも。

「私も駅へ」
「そっか。じゃあ、駅まで一緒に行こうか?」
「そうですね」

 佐々木さんは私の歩調に合わせて歩いてくれた。

「めしって言葉を聞いて、ひらがな、カタカナ、漢字、どれで思い浮かべる?」
「あんみつの次はめしですか?」

 佐々木さんは目で答えてと促してくる。空を見上げて、どれだろう考える。ひらがなはない。なら二択だ。

「うーん、カタカナかな」
「僕と同じだ。特に理由はないんだけど、カタカナだよね」
「はい。ひらがなはないです」
「うん、それも同意見。漢字かカタカナだよね」

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