メシトモ!
 そうだ、スマホ。自分の周りを見ても携帯が見つからない。あれ、消えた?

「なあ、あれか?」

 近藤さんが指さすほうを見ると、スマホが哀愁漂う感じでひっくり返り、転がっていた。

 それを拾い画面を見ると縦に太いヒビが入っている。そのうえ、ステンドグラスのようにカラフルな色合いになっていた。一応、画面を触ってみる。まったく動かない。

「大丈夫か、それ?」

 近藤さんが心配そうに、スマホを覗き込んできた。

「壊れました」

「悪い」

「いえ。これは私の不注意ですから。気にしないでください」

「アドレスとか、データとか、大丈夫なのか?」

「それは大丈夫です。定期的にSDカードにバックアップを取っているので問題はありません」

「そうか。修理代出すから」と、申し訳なさそうな顔で近藤さんが言った。

 別に近藤さんはなにも悪くないし。

「本当に大丈夫ですから。そろそろ買い替えようとおもっていたので」
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