メシトモ!
 スマホを壊したせいで二日くらい連絡がと取れない状態だった。その間に佐々木さんから連絡があったらどうしようと思ったが、要らぬ心配だった。

 佐々木さんが音信不通になって二カ月。普通だったら、なにかあったんじゃないかとこの上なく心配をするだろう。私が普通にいられるのには理由がある。涼太が“幸司さんなら心配らないから”と伝えてくるからだ。

 なぜ涼太が“幸司さん”と呼ぶようになったのかも気になる。でも、それ以上に気になるのは、未だに私に連絡をしてこないのはなんでなんだ。涼太に連絡する時間があるなら、その時間を私に少しでいいから回してくれと思う。

 気力と体力があれば怒っていただろう。ただ年末年始の仕事に忙殺されている私には、そんな気力はない。ただひとり不貞腐れているような感じだ。

 実家に帰ると、珍しく涼太もお父さんも居なかった。たぶん、二人とも忘年会だろうと思い、自分の部屋のドアを開けた。

 部屋のライトを点けると、大きな箱がベッドの上に鎮座している。

「なにこれ」

 段ボール箱には涼太が書いたメモが乗っていた。

『昼に宅配便が来たから受け取っておいた』
< 220 / 235 >

この作品をシェア

pagetop