メシトモ!
② レストラン ディマンシュ
 うん、うどんは美味し。食堂で一人、きつねうどんをすすっていると、隣にあんかけチャーハンをのせたトレーが置かれた。

「あー、疲れた」

 座るのと同時にそう言ったのは、同期の加絵だった。彼女はウェディングプランナーとしてこのホテルで働いている。

「疲れが顔に出てるよ。いいの? 結婚という最高の舞台をプランニングする人が」

「だって、聞いてよ。午前に予約が入っていた二組。二組ともケンカするんだよ。一組目のケンカを治めて、二組目もケンカだよ。さすがに疲れるでしょ」

「そりゃそうだ。お疲れ様です」

 加絵はため息を吐いて、あんかけチャーハンを食べ始めた。あんかけチャーハン美味しそう。明日はあんかけチャーハンにしよう、と油揚げを食べながら思っていた。

「宏実、明日はチャーハンにしようって考えているでしょ」

「あら、なんでわかっちゃったのかしら?」

 軽くおどけてみせると「目が言っていたよ」と言われた。

「ねえ、宏実、今日は何時に上がるの?」

「今日は六時上がりだから、なんだかんだで七時じゃない」

< 23 / 235 >

この作品をシェア

pagetop