メシトモ!
 近藤さんはほっとした顔をして「そっか。そっか、そっか。さあ、休憩も終わるぞ。仕事、仕事」と言って、嬉しそうに出て行った。「変なの」と私は一人つぶやいた。

 仕事が終わり、更衣室でスマホを見ると、加絵からのメールが来ていた。

《いつものファミレスで待っているよ》

 そのメールに《了解》と返信をして、急いで着替えた。そして駅前にあるファミレスと向かった。

 私たちの食事には小さなルールがある。次の日が朝早いときは居酒屋には行かない、ファミレスへ行く。なぜ、こんなルールを決めているのかと言えば、お酒の誘惑を断つため。

 私も加絵も、お酒が大好きで強い。はっきり言ってザル。三年も一緒に飲み食いしているのに、お互いに一度も酔っぱらった姿を見たことがない。せいぜい顔が赤くなったくらい。つまりほろ酔い。記憶を飛ばすような失態は一度もない。もちろん、二日酔いもない。

 それだけ強いなら一杯くらいはいいかなとも思うけど、一応控えるようにしている。

 ちなみに私は休日の次の日が仕事のときは、ビールは三杯までというルールを決めている。

 ファミレスに入ると、少しひんやりと感じた。四月に入り、温かい日も増え、空調が弱冷くらいで設定されている店舗も同じように増えてきた。

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