メシトモ!
 毎年、ゴールデンウィークに引っ掛けて催されるブライダルフェア。毎年、目玉のイベントがあり、今回はドレスのショーらしい。

 加絵も今年からフェアにスタッフとして入ることなり、通常のプランナーの仕事に加えてやらなければならないため、かなり大変らしい。

「フェアって、先輩とか上司とかの状況を見て、大変そうだなとは思っていたけど、予想以上に大変」

「へえ」

「フェアに来てくれた人だけが申し込める特別プランがあるし、衣装レンタルの割引もあるし、細かいこと言ったら切りがないよ」

 ちょうど会話が途切れたタイミングで、店員さんがサラダとイカリングを置いて行った。

 加絵はサラダを取り分けてくれた。私が不器用なのを知っている加絵は、こういうことを当たり前のようにやってくれる。私が取り分けると、なぜかお皿の縁がドレッシングまみれになる。自分は注意しているに、そうなってしまう。こういう部分は家族も呆れている。

 イカリングをトマトベースのディップに付けて口に入れる。

「ああ、冷えた赤ワインが飲みたい」

 私の一言に加絵は「私は冷えた白ワインが飲みたい」と言った。

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